すごいベンチャー経営者が語る成長の方程式 ベンチャー企業急成長の裏側を全公開
営業組織、営業人材開発
成長を加速する組織営業のありかた
セールスフォース・ドットコムが実践する分業化
~インサイドセールス/人材開発~
生産性を上げる一つの方法が、インサイドセールスの部隊を持つこと。そう語った鈴木淳一氏は、自社のインサイドセールス部門が生産性を最大化するために取っている方法を詳細に説明した。
組織的には、中堅中小・スタートアップ企業担当と大手企業担当のチームがあり、さらに教育・戦略担当チームもある。また案件を1から8までのフェーズに分けて管理し、インサイドセールスはフェーズ1の「商談を見極める」のが役割だとした。そして評価指標を四つの軸に分け、どれくらいの数字を出せばランキングがどれくらい上がるかを明確にしたうえで、蓄積してきたデータを活用して徹底的に生産性を上げていると明かした。
山下貴宏氏は、セールスフォース・ドットコムでは営業人材開発に特化した組織があり、教育を標準化するため、ここ数年、仕組みづくりをしてきたと説明した。
人材開発のKPIとしては、営業の達成率の中央値を見ることが重要であると指摘。人材開発でもデータをフルに活用し、中央値を上げるためのコンテンツとトレーニングを提供し、現場での活用状況を検証。学びとパフォーマンスが連動しているか否かを判断する。こうしたPDCAサイクルを回すことが基本になると語り「自社の営業プロセスを標準化し、マネジメントオペレーションを徹底することから始めれば効果的」と語った。
パネルディスカッション
実践者が直伝
これが「SaaSベンチャー急成長」の方程式
パネルディスカッションは、福岡では、庵原保文・中村仁・鈴木悟史の3氏、大阪では、庵原保文・富岡圭・佐々木大輔の3氏によって行われた。
中村氏は、SaaS型のビジネスでは解約率が最大の成長阻害要因となるため、カスタマーサクセスを起点として、解約を最小限にできるセールスプロセスを構築することが重要だと強調した。
また鈴木氏は、人材の採用について、自社のビジョンとミッションへの共感を重視し、営業社員の教育では、基礎知識の習得、体験会の登壇、個別商談対応という三つのステップを設定して行っていると語った。
これに対して庵原氏は、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスと分業したことで急成長が実現し、それぞれのチームに明確なKPIを持たせることが重要だと強調した。
佐々木氏も、カスタマーサクセスは深い領域だと指摘し、解約率をコントロールするのは難しいので、顧客満足度を重視して、利用開始の段階にさまざまな形でサポートするとともに、サービスをうまく活用できているか測定する指標が重要になると述べた。
また富岡氏は、名刺を企業の資産にするというコンセプトをつねに大事にして、採用に際してもミッションステートメントを重視し、自社が大切にしていることを応募者や社員にきちんと伝えるようにしていると語った。