すごいベンチャー経営者が語る成長の方程式 ベンチャー企業急成長の裏側を全公開
ベンチャー経営者や投資家などの講師陣が急成長企業の秘密を解き明かし、示唆に富んだカンファレンスとなった。
[共催]セールスフォース、東洋経済新報社
イントロダクション
B2B SaaSが注目される理由
浅田慎二氏は「東京で実践者による実践者のためのカンファレンスが好評だったため、福岡と大阪でも開催した」と語り、SaaSのムーブメントについて解説。SaaSはこれまでのソフトウエアとは根本的にモデルが違うと指摘した。
キーノート
家入流ベンチャー経営の本質と醍醐味
時代の先を行くサービスを生み出した瞬間から、起業、成長
そして飛躍までの道のり
起業する一方で、エンジェル投資家として50社近くに投資をしている家入一真氏は、大企業が「市場が小さいから参入しない」「成功した自分たちのビジネスを否定できない」などの理由で躊躇している間に、一点突破でニッチ市場を攻めるのがベンチャーだと規定。
小さく立ち上げて走り続けることが大事であり、そのためには図体は小さいほうがいい。高速PDCAとも言われるように仮説と検証の短いサイクルを回していくことで成功率を高めることが、これからのベンチャー経営には必要だとした。
また、今は参入障壁が低いので、技術などでの差別化は難しい。サービスや商品が選ばれるためには、背景にある物語が重要になる。なぜ起業するのかを問い続け、自分だからこそやる意義があるというものを明確に持っていれば、仲間もユーザーもそこに魅かれて集まる。自分の商品やサービスによって喜ぶ人の顔が思い浮かぶことが重要であり、不特定多数に向けたサービスや商品は結局誰にも刺さらないと指摘した。
そして最後に「本当の豊かさとは、富をたくさん所有していることではなく、どれだけほかの人に価値を提供できるかだ」と結んだ。
ザ・モデル
成長企業の共通点 “スピード・マネジメント”
~経営者が理解すべき見える化の定義とは?~
「成長企業の共通点は、正しい見える化の仕組みがあり、その結果としてマネジメントの基本動作が高速化され、判断、実行、検証を素早く実施できる」。そう指摘する安田大佑氏と浦和広氏は正しい見える化を実現するセールスフォースの組織モデルについて解説。
顧客接点を4段階に分け、役割ごとの責任と指標を明確にすることで確実にやりきるという企業文化がつくられたという。さらにゴールからの逆算で各責任指標の目標数値を決めることも重要だと指摘。目標値の設定によって評価が容易になり、入り口から出口まで見ることで改善ポイントもわかり、すぐに手が打てると利点を挙げた。
あらゆる企業活動が数値で正しくリアルタイムで確認できる状態になり、その数値を確認することで、気づき、感じ、考え、結論を出すことができるのが見える化の定義だと述べ、成長企業はそういうマインドを持っていると語った。