デジタルマーケティング戦略セミナー 現実とデジタルをつなぎ、感動体験を創造する

拡大
縮小
購買・消費行動のデータを分析して、顧客の買い物体験を感動体験に導き、顧客エンゲージメントを高める方策を検討する「デジタルマーケティング戦略セミナー」が東京・千代田区で開かれ、最新のソリューションや先進企業の事例が紹介された。
[共催]東洋経済新報社、大日本印刷

オープニング

千葉亮太氏/大日本印刷 情報イノベーション事業部 執行役員

デジタル化の中、紙とインクの印刷にとどまらず、事業の幅を広げる大日本印刷の千葉亮太氏は「過去の成功経験が役に立たなくなった不確実な時代の販売戦略は、顧客が求める価値を見つけて伝えることが重要」として、マーケティング活動のスピード・量・精度を上げるため、「デジタルマーケティングは欠かせない武器」と語った。

基調講演
新しいEC(Engagement Commerce)時代のマーケティング戦略

奥谷孝司氏/オイシックスドット大地 執行役員 統合マーケティング部 部長
Chief Omni-Channel Officer

オイシックスドット大地の奥谷孝司氏はこれからのマーケティングは「いかに顧客とつながるかが大事になる」と話した。

まず、カスタマー・ジャーニーの把握の重要性を強調。店頭POSデータでは、顧客がなぜ来店したのか、なぜその商品を買ったのかはわからないので、在庫検索等のデータから顧客の検討過程、購入後のレビューから使用・消費過程を可視化することが必要とした。

ネット時代も、顧客とつながるにはブランドが重要で、企業が有益情報を発信して顧客エンゲージメントを作るコンテンツ・マーケティングや、ブランドを「自分事化」させる施策を進めるべきとして、地元偏重・体験重視の姿勢が支持された九州の人気パンケーキ店の「閉じるブランド戦略」を紹介。

オムニチャネル化では、オンライン決済、在庫の可視化、ネットでオーダーして店頭でピックアップする仕組みの構築を提案した。店舗をショールームとして使い、店内でネットを通じて購入する海外のネット小売りのリアル店舗への進出事例にも言及。

オムニチャネル戦略は、ネットの売り上げ拡大を追求するより「売り上げの9割を占めるオフライン市場をデジタルで伸ばす方が効果は大きい」と指摘し、「ECをデジタルを通じたエンゲージメント・コマースととらえ、そのためのモバイル・ファーストの仕組みを全社戦略として進めるべき」と提言した。

次ページ具体的な事例は?
お問い合わせ