シリアのクルド人勢力を巡る複雑情勢の行方

トルコが攻撃、アメリカはどちらに付くのか

トルコが支援する自由シリア軍(FSA)の戦闘員たち。アフリン北東部のバーサヤ山近くにて(写真:Khalil al-Ashawi/Reuters)
ISIS掃討に貢献したシリアのクルド人も反アサドのトルコもアメリカの同盟相手。だが今のまま放っておけば、同盟相手同士の対立がエスカレートしそう。

シリア内戦におけるアメリカの重要な同盟相手であるクルド人勢力が、もう1つの同盟国、つまりトルコから攻撃を受けている。これによりアメリカはやっかいな立場に立たされている。

当記事は「ニューズウィーク日本版」(CCCメディアハウス)からの転載記事です。元記事はこちら

トルコ軍は1月19日、シリア北部アフリンへの攻撃を開始した。「オリーブの枝」作戦だ。アフリンを支配するのはクルド人を中心とした反政府勢力のシリア民主軍(SDF)で、アメリカの支援を受けている。攻撃が始まる少し前、アメリカはシリアのトルコ国境地帯にSDF主体の3万人強の警備部隊を創設する提案を行ったが、トルコ政府はこれに強く反発。米政府がこの案を撤回した後もトルコ側の怒りは解けなかった。

トルコはクルド人民兵部隊をテロ組織と認識

トルコはSDFの中核である人民防衛隊(YPG)などのクルド人民兵部隊をテロ組織と考えており、以前からアメリカにたて突くことになっても攻撃対象にするという考えを示していた。

ロイター通信によればトルコのヌレティン・ジャニクリ国防相は「作戦は事実上、国境を挟んだ砲撃によって始まった」と述べたという。また、まだトルコの地上部隊はアフリンに入っていないという。

「シリア北部のすべてのテロネットワークそしてテロ分子は根絶されるだろう。他に道はない」とジャニクリ国防相は述べた。「アフリン中心部での作戦は長くかかるかも知れないが、同地のテロ組織はあっという間に壊滅するだろう」

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