老舗こそ「創造的破壊」のリーダーとなる理由 化学素材産業の変革をリードするJSR

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 池田そういった経営者の決断こそが、変革、ひいては創造的破壊につながるのだと思います。変革のために外部と連携したり、人材を取り込んだりすることと、先端的なテクノロジーの活用は企業にとって必須です。現在のデジタルテクノロジーは企業の業務を変えるだけでなく、ビジネスそのものを変えてしまうところがあります。私たちは経営者や事業部門のリーダーの方々に対して、テクノロジーを活用した新規事業創造や既存事業改革を支援しています。

 小柴 新薬の開発には3000億円かかりますが、成功する確率は0.01%程度です。しかし開発のプロセスで人工知能とかロボットを活用すれば、0.01%が2倍の0.02%になるかもしれない。テクノロジーがもたらすインパクトはやはり大変なものがあります。

イノベーションの時代こそ、大企業の資産が生きる

池田 IBMは最近、「ガレージ」というサービスを始めました。お客様と、IBMのコンサルタントやデザイナー、データサイエンティストなどが「ガレージ」に集って協働し、いわゆるリーンスタートアップ・アプローチで、新規事業・サービス創出や変革プロジェクトを推進していきます。ここで企業のトップにお願いしたいことが一つあります。トップが、会社をこういう方向に変えていくのだという変革のアジェンダをセットし、取り組みの道筋をつけていただきたい。そうすることで、「ガレージ」が一部の小さな取り組みで終わらずに、全社的な変革に波及していきます。

 小柴 確かにアジェンダはトップ主導であるべきですね。その「ガレージ」は面白そうですね。IBMは、最先端の技術をいろいろ持っている。小さなものから大きなものまでいろいろな要素の研究もしている。世界12か所にある研究所の人たちが集まって、非常に壮大な計画もつくっている。そういうことのできる企業は、IBM以外あまりないですよ。

 池田 先端テクノロジーに対する洞察が深いこと、それを活用してビジネスの価値転換を支援し、実現すること。それを両方実行できるのはIBMだけだと私たちも考えています。

 小柴 今後、ロボットとかEVといったテクノロジーのキーになるのは素 材だと考えています。サイバーとかバーチャルと言っても、リアルの世界がついてこなければ意味がありません。そこの接点になるのが素材です。そういう意味では、当社のような企業にはこれからものすごくチャンスがあると考えています。

 池田 先ほどお話したIBMグローバル経営層スタディで、経営層に、創造的な破壊を起こしているのはどういう企業かと聞いた設問で、2017年では、「業界のリーディング企業」という答えが一番多かったんです。価値あるデータというのは、事業を通じて膨大なデータを蓄積してきた大企業が一番持っているのではないでしょうか。大企業がそのデータと先進テクノロジーを使えば、非常に強いポジションに立てます。日本の企業にもぜひこれからは、自ら創造的破壊を起こすようなリーダー企業になっていただきたいと思います。

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