KITKAT × Twitterでファンの拡大に成功 TVとの連動で認知拡大から行動喚起まで貢献
新商品の認知拡大にツイッターを活用
「キットカット」は日本で売れている代表的なチョコレート菓子の一つである。最近では、百貨店で専門店「キットカット ショコラトリー」を展開するなど、新たな取り組みも進めている。
2016年9月には、同店の人気商品をベースに、コンビニエンスストア・スーパー向けの新商品「毎日の贅沢」を発売した。
ネスレ日本のマーケティングスペシャリストで、「キットカット」を担当する村田香織氏は「『毎日の贅沢』は、20〜30代の働く女性をターゲットに開発し、まずは商品の認知度を上げることをKPI(重要業績評価指標)に掲げました。さらに、発売前からおいしさやぜいたく感に対する期待感を高めたいと考えました」と振り返る。
むろん、新商品の発売にあたっては、テレビや雑誌などのさまざまな広告メディアを通じて訴求を行うが、今回同社が力を入れたのがツイッターだった。なぜなら、「キットカット」のファンとツイッターの利用者の親和性が高いと推察していたからだ。
ネスレ日本の媒体統轄室のユニットマネジャー・村岡慎太郎氏は、こう説明する。「20〜30代の働く女性がテレビを見るのは、出社前、帰宅後、休日の限られた時間になります。広告予算の制限がある中、TVのみでは十分にリーチとフリークエンシーを出せないためターゲットに対しての補完メディアとしてツイッターの活用を決めました」
キャンペーンの拡散で認知拡大、フォロワー数も急増
ツイッターでは、ツイートがリツイート(転載: RT)されることにより、 1次拡散、2次拡散とどんどん情報が広げられる可能性がある。 情報が拡散された分リーチが広がるので、 認知拡大に寄与するのが特長だ。さらに、投稿がRTされることにより、反響が一気に拡散する。
ツイッター・ジャパンでCPG(消費財) 業界を担当する服部陽子氏は、「『毎日の贅沢』のキャンペーンでは、 ティザーではプロモビデオを使い興味喚起、期待醸成を図り、キャンペーン期間中では『インスタントウィン』で情報拡散を狙い、さらにはTVCM とほぼ同じクリエイティブを使ったプロモビデオも展開いただきました」と話す。
「インスタントウィン」とは、その場で当落がわかるくじ引きのようなものだ。「毎日の贅沢」の発売にあたっては、公式ツイッターアカウント「@ KITKAT Japan」をフォローし、キャンペーンツイートをRTすると、参加者に当たり・ 外れの結果が自動返信ですぐに通知されるというキャンペーンを行った。
村田氏はその成果を次のように話す。「キャンペーン期間中、多い日で2万回以上、少ない日でも1万回以上、ツイートがRTされました。また、公式アカウントのフォロワー数は、キャンペーン開始前は約2万人でしたが、これが最大で17万人まで増えました」