100周年の日大理工学部。次の世紀を拓く 理工の力を基礎とする実務家の養成が使命

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キーワードはものづくりことづくり、ひとづくり

─ カリキュラムの改定については、どのようにお考えですか

岡田 まず学部生については現在、1年次の前期に学修の動機づけや手法を身につける「インセンティブ科目」を、4年次には幅広い専門知識の修得を確認すべく「卒業達成度評価科目」を設置するなど、特色のあるカリキュラムを取り入れています。これに加え、検討の最終段階に入っている新カリキュラムでは、他学部の学生との協働学修を含む「自主創造の基礎1・2」という必修科目を1年次に設置する予定です。「自主創造」とは、本学の教育理念であり、自ら考え、その判断に基づいて行動を起こし、自ら進む道を切り拓いていく能力を指します。これからの時代にますます必要な力ですし、ネットワークを学部外にも広げるよい機会になると思います。

また、16専攻からなる大学院については、社会の要請に応えるべく、科目の統廃合を行いながらも、これまで以上に学部と大学院のカリキュラムの連続性・発展性を強化したカリキュラムに整備したいと考えています。さらに、インキュベーター型の産学連携事業も積極的に推進していきます。研究施設・実験設備やオフィス空間、人材などを提供し、企業と教員・学生との共同研究の場を作ろうと思います。

そして、「スター研究者」の育成にも取り組みます。素晴らしい研究をしていて、発信力のある研究者を擁することで、他大学から多くの大学院志願者が集まってくれば、大学院の質や国際性も一段と高まるはずです。

─ 近年、理工系で学ぶ女性が増えています。

岡田 私の所属する建築学科は約3割、他学科も2割程度の女子学生が在籍しており、卒業生を招いたキャリア教育など、女子学生支援を行っています。もともと理工系は、性別を問わず、人が生涯にわたり活躍していく能力を獲得するのに適した学問分野だと思っています。

アメリカではオバマ前大統領が、科学技術及び経済分野での国際競争力を維持、発展させるための人材を育成するべくSTEAM教育を国の施策として掲げました。STEAMとは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Arts(芸術)、Mathematics(数学)のことです。

私たちはそこからさらに一歩進んで、この五つの要素の連関によって形成された知見をベースに、Design(デザイン)を通して「もの」をRealization(具現化)する力を涵養するCollege(学部)として「CST×DREAM」教育を実践していきます(CST= College ofScience and Technology=理工学部)。

単なるものづくりではなく、ものづくりを通じて世のため、人のためになる新しい文化を拓いていく「ことづくり」にチャレンジする。デザインしたものは机上の空論で終わらせずに、確実に具現化する。

そんなことを可能にする「ひとづくり」を行い、未来に翔かけるユメをリアルにする新世紀の教育・研究を推進していきます。