100周年の日大理工学部。次の世紀を拓く 理工の力を基礎とする実務家の養成が使命
─ 日本大学理工学部は、3年後の2020年に創設100周年を迎えます。卒業生数は約23万人と、理工系の世界では非常に大きな存在となっています。
岡田 卒業生の多くがさまざまな分野で社会に貢献していることは、私たちの誇りです。しかし、裏を返せば、それだけ教育者としての責任も重大ということになります。私たちのミッションは理工の力、つまり科学と技術の力を基礎とし、社会に役立つものづくりを行う「実務者の養成」です。これは本学部が創設以来一貫して行ってきたことであり、次の100年もこの伝統を堅持しながら、時代の要請に応える人材を輩出していかなければなりません。
本学部の特長は規模の大きさです。理学・工学の各分野で高い専門性と多様性を兼ね備えた14の学科があり、約1万人の在学生に対して、約1000人の教員がいます。本学部で学んでいただければ、きめ細かな教育を十二分に受け、4年後にはものづくりの第一線で活躍できる人になり得る。しかも、同期生はもちろん、年代を超えた豊かな人脈が築ける。この強固なネットワークは、他大学では得難い財産ではないかと思います。
─ 多くの学生、教員が集う校舎は、駿河台と船橋の2キャンパス制。18年6月には駿河台に新校舎も竣工します。
岡田 ものづくりを担う上で重要なのは、時代のニーズを肌で感じることと、実務、実践を繰り返す中で自ら考え、創造するための技術を身につけ磨いていくことです。その点で、駿河台キャンパスは、東京という時代の先端を行く街の文化に触れられるという地の利があります。
一方の船橋キャンパスは、東京ドーム6個分の広大な敷地に、自動車・二輪車の走行試験や小型飛行機・人力飛行機の曳航試験などが行える全長618メートルの交通総合試験路をはじめ、最先端の大型実験ができる研究施設を擁しています。理工学の教育上、非常にバランスの良い理想的な環境だといえます。
2018年6月には駿河台に念願の新校舎「南棟(仮称)」が竣工します。理工系の教育・研究拠点としてふさわしい最新の設備が整った素晴らしい施設です。今後は、南棟に隣接する5号館を解体、19年を目途に公開空地として学生や周辺地域の方々が憩える空間が誕生します。
また、ニコライ堂に隣接する場所には、南棟と対になる「北棟(仮称)」の実現をめざしています。理工系の学問の全容が一覧できるミュージアムや図書館といった地域開放型施設の新設など、さまざまな方面からの意見を聞き、構想を練り上げていこうと思います。