セミナーレポート

徳島ビジネスフォーラムin東京 地方創生・本格展開加速”光の国・徳島”

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ICT関連企業による講演
人工知能型ERP「HUE」の開発を支える技術研究

牧野 正幸氏/ワークスアプリケーションズ 代表取締役最高経営責任者

ERPベンダーであるワークスアプリケーションズの牧野正幸氏は、人工知能(AI)の一分野であり、日本語でAIを扱うために不可欠な自然言語解析(NLP)の研究拠点を徳島市に開設した経緯を語った。バックオフィス業務の生産性向上に向けて人工知能型ビジネスアプリケーション「HUE」を提供する同社は、各地から優秀な人材が集まる東京、シンガポール、上海を開発拠点としてAIを研究してきたが、それでも世界的にAI人材の争奪が起こる中、さらなる研究開発の推進のために人材を増やしていく必要があった。たまたま牧野氏が出会った優秀な技術者が徳島県での勤務を希望したことをきっかけに、徳島大学を中心に自然言語処理技術に長けた人材が多く集まっていること、そしてインフラなどのオフィス環境が整っていることなど、徳島の立地としての優位性が浮上し、研究所の設置へ至った。「日本語という特殊な分野におけるAI・NLP研究者が払底する状況」にもかかわらず、半年間で15人もの研究者を集めて、同社の中心的AI・NLP研究拠点となった。人材採用などにおける県の支援を受け、今後5年で50人規模に拡大する計画。恵まれたインフラ環境や住環境など、シリコンバレーをほうふつとさせると指摘した牧野氏は「徳島のほかのIT企業ともコラボレーションし、日本で最先端のAI・NLP研究エリアになることを期待しています」と語った。

トップセールス
徳島県の立地環境について

飯泉 嘉門氏/徳島県知事

飯泉嘉門知事は、光の国・徳島の魅力を訴えた。徳島小松島港津田地区に新造成の工業団地が2020年度完成予定の四国横断自動車道津田ICと直結。JAL・ANAダブルトラックで東京便11往復など充実した交通網を説明。今年、国内初開催された「ラフティング世界選手権」や「とくしまマラソン」、第一次大戦時に徳島に収容されたドイツ兵捕虜によるアジア初演から来年100周年の「第九演奏会」、アニメやゲームのイベント「マチアソビ」など、スポーツ・文化活動も活発だ。経済面では、県庁が率先してテレワークの実証等による先進的な働き方改革を実践する。高いCATV世帯普及率を背景にした全国屈指の高速光ブロードバンド環境を生かした4Kでの映像試験放送や映画祭、AIを活用した阿波おどりFAQサービスの実証実験など、先端テクノロジー事業も展開。徳島が誇るLEDと阿波藍を「二つの青」として世界最大規模の産業見本市(ハノーバーメッセ)でPRしてきた。県は、企業立地、本社機能移転への補助金、創業支援も手厚く提供。移住体験、親の短期滞在に合わせ住民票を移さずに転校できるデュアルスクール制度(全国知事会先進政策大賞)、子ども医療費自己負担分助成など充実した施策でUIJターンを促進する。「首都圏の企業の皆様と共に、従業員の働きたいという意欲と自己実現を両立できる徳島を築きたい」と語った。

特産品などを展示したブースも多くの来場者で賑わった
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徳島県商工労働観光部企業支援課
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