「暖かくしなさい」は実はかぜに逆効果? ビタミン、アミノ酸、運動での予防を!

やっかいなかぜは仕事への悪影響も
季節の変わり目で体調がおかしくなったりしていませんか? 今年の夏は曇天も多く、秋になってさわやかな青空が見られると思ったら、台風が襲来したり、雨の日が続いたり。気温も暖かい日だなと思ったら、翌日には急に寒くなる。そして気がつけば、もう冬です。
そんな気候の変化は体調にも影響を及ぼします。そして、かぜは一度ひいてしまうと、意外とやっかいです。ひいてしまうと、完全に治るまでに1週間くらいはかかってしまう。長引けば、仕事にも支障が出てきます。実際、東洋経済のアンケート調査には、次のような声が届いています。
「上司と話しているときに、自分がくしゃみを我慢している様子が、相手には人の話を聞いていない態度に見えたようで問題になったことがあります」
本意ではないのに、相手に誤解を与えてしまうことって、ときどきありますね。でも、その誤解の原因がかぜだとしたら、本当にもったいないことです。体調が悪いと何かと機嫌が悪く見られがちになります。それは部下でも上司でも同じことです。日頃からきちんと体調管理することも仕事のうちの一つです。
「会社ではかぜの予防にマスクを着用しているが、上司からはいつもかぜ気味で体調が悪く見られ、仕事が進まないのはそのせいだと思われています。ただ単に私の能力が足りないだけです……」
予防は大事ですね。その心掛けはいい。でも、上司から元気が足りないように見られたのであれば一言伝えるか、結果で返したいところ。自分の能力が足りないと思ってはいけません。元気に明るく仕事をしていれば、次第に周囲も認めてくれるようになります。そして、結果が出れば上司の見る目もすぐ変わります。
発熱は免疫の働きが活発になるサイン
働く男性を悩ませるかぜの正式名称は「かぜ症候群」と言います。上気道(空気の通り道)の急性の炎症を指すそうです。
では、なぜかぜをひくと、せき込んだり、くしゃみが出たり、熱が出たりするのでしょうか。私たちの鼻、のど(咽頭・喉頭)、気管、気管支、肺などからなる呼吸器は、外気を吸い込み、体に必要な酸素を取り込んで二酸化炭素を吐き出しています。
そうやって常に外気と触れているので、空気中にウイルスや細菌がいても侵入されないよう、口や鼻、のどの内壁では、粘液で異物を付着し、繊毛運動によって外に出そうとする感染防御システムが備わっています。ウイルスが侵入すると、粘膜内部の組織に炎症が起こり、くしゃみ、鼻みず、鼻づまりなどの症状を引き起こします。のどではのどの粘膜の炎症が起こり、咳やたんで異物を外へ出そうとするのです。
発熱はウイルスの侵入により、身体に異変が起こったことを知らせると同時に、自分で自分の体を治そうとする免疫の働きが活発になっているサインだそうです。ウイルスに対抗するため脳の体温調節中枢(視床下部)が体温をあげるよう指示し、熱を発生させるため筋肉をふるわせます。それがいわゆる「さむけ」です。その熱が体にこもるため発熱するのです。そんなかぜの症状について、川柳を詠んだらどうなるのか。
言えません 上司に「頼む マスクして」
その気持ちよくわかります! 自分は日頃からかぜをひかないように気をつけているのに、上司が目の前で、マスクなしでせき込んでいたら、確かにそこから離れたくなりますよね。でも、直接本人に「マスクして」とはなかなか言えない。そのつらさ、わかります。
「うつすなよ!」 書類の端っこ つまんでる
もちろん、かぜがひどいなら帰ったほうがいいのですが、そんな態度を取られると、悲しくなってしまいますよね。自分は、本当は嫌われているのではないか。かぜをひいて気分が落ち込んでいるときなんて、特にそんな妄想をしてしまいそうです。ただ、この川柳は情景が頭に浮かぶほど見事です。
厚着ばかりしていると抵抗力が低下することも
寒くなると「暖かくしなさいね」とは今も昔も言いますね。でも実はこれ、要注意です。
厚着の習慣は体温調節の能力を低下させ、抵抗力を弱めてしまうこともあるからです。過剰な厚着はやめて温度差の大きい屋外と室内の気温に合わせて、こまめに衣服の脱ぎ着をすることを心がけましょう。
その他、かぜの予防方法としては偏食を避け、バランスよく栄養をとることが大切です。かぜの予防効果を高めるためには、身体の免疫システムに欠かせないビタミンCと身体のエネルギー産生に必要なビタミンB1群、鼻やのどの粘膜を強化する働きのあるビタミンB2、B6を多くとることがポイントです。アミノ酸の豊富な動物性タンパク質を食事に取り入れるのも効果的です。ウォーキングや水泳、ヨガなどの適度な運動でかぜに負けない体力をつけ、免疫力を高めることも忘れずに。
それでもかぜをひいたと感じたときは早めに市販薬で対処することも大切です。高熱が出たときは発汗により脱水症状を起こしやすくなるので、こまめな水分補給を心がけること。また、39度を超える発熱または急激に38度を超える発熱や、黄色や緑色の鼻汁、たんが出る場合などは病院に行くことをおすすめいたします。
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