「高血圧」が引き起こす突然の病 30代・40代こそ気を付けたい

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ある日突然の悲劇を防ぐために
高血圧と聞くと、高齢者の疾病と思う人が多いだろう。だが、日本には約4300万人もの高血圧患者がいて*、働き盛りの30代~50代も少なくない。そのため「若いから大丈夫」と考えるのはあまりに早計で危険である。高血圧は自覚症状が乏しく、自分が高血圧であることに気づいていない人が相当数いるからだ。高血圧を放置すれば、脳梗塞や心筋梗塞など命にかかわる疾患を引き起こしかねない。突然死や後遺症のリスクが大きいこうした病を防ぐためにも、自分が高血圧であることをいち早く知り、対処することが何より大切だ。あなたは大丈夫だろうか。

30代男性は5人に1人、40代は3人に1人が高血圧

高血圧は、よほどひどくならない限り自覚症状がない。気づかないうちに進行して、頭痛や息切れ、動悸、頻尿といった症状が現れることもあるが、その場合は重症化してしまっているケースがほとんどだ。こうした無症状のまま進行する高血圧が、日本人の死亡につながるリスク要因第2位であることは意外と知られていない。ある国内の研究によれば、高血圧は喫煙の次に高い割合を占める死亡原因であり、日本では年間10万人が高血圧に起因する脳卒中や心筋梗塞などの脳・心血管疾患で亡くなっているのだ。高血圧が「サイレントキラー」と呼ばれる所以であり、いかに恐ろしい病であるかがわかるだろう。

*「Miura K,et al:Circ J 77:2226-2231,2013」

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