Sustainable Value Chain Transformation 2017

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ゲストスピーチ
オランダ企業に学ぶ、Sustainable ValueChain Transformationの先進事例

星谷 哲男氏/ING Bank N.V東京支店在日代表、 マネージングダイレクター 営業本部長

INGバンクの星谷哲男氏は「持続可能な社会の構築に金融サービスが果たす役割は重要で、顧客がサステナビリティに取り組み、そのビジネスモデルがサステナブルになるよう当行が金融ソリューションを通じ支援することで、当行自身もまたサステナブルになることを目指している」と述べた。行内には、サステナビリティ・ファイナンス・チームを設置して、化石燃料から再生可能エネルギーへの転換、水、循環型経済の3テーマを軸に、ビジネス機会を発掘。また、サステナビリティ関連事業に資金使途を限定したグリーンボンド発行や顧客のグリーンボンド発行支援、顧客のサステナビリティ格付けに貸付金利が連動するローンの提供等の取り組みについて語った。

堤 浩幸氏/フィリップスジャパン代表取締役社長

フィリップスの堤浩幸氏は「2025年までに年間30億の人々の生活を向上させるという数字を明示したビジョンに取り組んでいます」と話した。同社は、広く家電事業を展開してきたが、現在はヘルステクノロジーに集中。ヘルスケアが不十分な地域の母子の健康改善にITも活用したイノベーションを進め、事業のムダを省くリーンと、リサイクルによる循環型経済を推進して社会に貢献する。2020年までに総売上の70%を環境配慮型事業からの収入とする目標にも触れ、ゴールを明確に設定する重要性を強調した。

Jeff Turner氏/Royal DSM サステナビリティ部門 ヴァイス・プレジデント

ライフ・マテリアル・サイエンス領域で高付加価値素材を提供するDSMのジェフ・ターナー氏は「CEOは将来世代への個人的責任感を重視していることもあり、社会への環境的な価値提供をベースに差別化を図っていく」と述べた。同社は、社内炭素価格制度を導入して、サステナビリティを考慮した投資の意思決定を推進。CO2の20倍以上の温室効果があるメタンガスが牛のげっぷに多量に含まれることから、酵素でそれを減らす「クリーンカウ」など、栄養、気候変動、循環型経済に向けたソリューションを紹介した。

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