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ポピーと桜 小菅信子著

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デビッド・リーン監督の『戦場にかける橋』は演出、俳優、音楽、みな忘れがたい。もっとも現実のイギリス軍捕虜は、泰緬(たいめん)鉄道建設で日本軍から虐待を受け、深い傷が残った。そしてその出来事は日英にとって深いシコリとなって残った。

日英和解という重い課題をめぐる悪戦苦闘の記録がまとめられた。元捕虜たちの対日憎悪は容易なことでは解消しない。日本への偏見と誤解。そして文化の違い。筆者は学者としてでなく、一人の日本人女性として老兵たちと積極的に交流し、体当たりで行動を続ける。やがて元捕虜の多くが胸襟を開く。

元捕虜たちの体験は厳しくつらいものだが、両者の交流は読む者をとらえて離さない。読者は物語の中に放り込まれるようにして読み進むのではないか。石橋湛山賞受賞作『戦後和解』(中公新書)の背後にはこれだけの人々の歴史があったのだ。併せて読めば感激や理解も一層増すだろう。(純)

岩波書店 2625円

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