加速するオカムラの働き方改革 ナチュラルビーイングな生き方・働き方へ
「社内システムの刷新やコミュニケーションツールの全社導入により、移動中も情報共有や連絡、会議ができるようにしています。出先でも仕事ができ、自分が所属する拠点に戻らなくてもいいようになると、移動の仕方自体が変わり、より効率的に動けるようになります。ここまではICTなどのインフラ整備を先行させてきましたが、これからはいろいろな施策を実施していく予定です」と語る人事部・次長の関口政宏氏。「気持ちのゆとりができ、モチベーションが上がってより仕事に集中できるようになったと、社員にも好評です」と手応え十分の様子だ。
働く環境と働き方そして生き方を変える
この「働き方改革」の仕掛人の一人、ソリューション戦略部・部長の大野嘉人氏が続く。
「私たちは、自分らしさと能力を思いのままに発揮していられる状態のことを、ナチュラルビーイングという言葉で表現しています。このナチュラルビーイングこそが、働き方改革の柱をなす『制度・テクノロジー・環境』という3要素の中心にあると考えています。だからこそ、一人ひとりのライフに寄り添うワークインライフをコンセプトに、それぞれがナチュラルビーイングな生き方、働き方ができる環境づくりをして、人の意識や企業風土を変え、ありたい姿を実現していくことこそが、本当の意味での働き方改革だと考えています」
まずはできることから始めよう、と動き出したオカムラの働き方改革だが、その源流は3年前にさかのぼる。「働く環境を変え、働き方を変え、生き方を変える」というコンセプトのもと、部門横断的に社員が集められ社内プロジェクトが発足。まずウェブマガジンやペーパーマガジンの発行から活動をスタートさせ、一昨年プロジェクト名を「WORKMILL(ワークミル)」とした。
プロジェクト発足を機に、同社は「はたらくを描く」をスローガンに、多様な活動を展開していった。東京に続き大阪、名古屋にも「オフィスラボ」を設置。同社の社員が仕事をするオフィスで実験的な試みを行い、それを顧客にも見てもらう、いわばライブ型オフィスである。全国7カ所にあるラボでの取り組みすべてが同社の知見として蓄積されて、顧客への提案に生かされるというわけだ。
2015年から東京・大阪・名古屋に共創空間を順次開設。さまざまな企業と協業しながら、ワークプレイスやワークスタイルをテーマにしたプレゼンテーション、トークセッションなどのイベントを盛んに開催している。
こうした働き方改革に関するさまざまな活動が連動しシナジーを生む中で、満を持して自身の変革に取り組もうというわけである。大野氏は「改革を自分ごととして積極的にとらえる社員が増えています。この成果を社内外に発信していくことで、お客さまにもこれまで以上に実践的なプランを提案できるようになるでしょう」と力強く語る。
社員がナチュラルビーイングでいることを中心に、制度やテクノロジー、環境を整えて、一人ひとりが生き生きと創造的に働けるようになることを目指すオカムラの働き方改革。この秋以降、同社からどんな情報が発信されてくるか、期待を込めて見守りたい。