日本で暮らすシリア人が訴える祖国の窮状 「まずは本当のことを知り、伝えてほしい」

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6560万人の内訳は、難民、国内避難民、庇護申請者の3つに分けられるが、難民の数は、過去最多となる2250万人に上った。パレスチナ難民のほか、550万人ものシリア難民や昨年急増した南スーダンの難民問題が特に深刻だ。南スーダンでは7月から2016年末までに73万9900人が国外に避難。難民の数は187万人に膨らんだ。

また、シリア、イラク、コロンビアなどで多く発生している国内避難民の数は、2016年末現在で4030万人。母国から逃れ、難民として国際的な保護を求めている庇護申請者の数は2016年末時点で280万人となっている。

UNHCRによると、6560万人とは、平均して、地球上の113人に1人が避難を余儀なくされていることを意味するという。これは世界で21番目に人口が多いイギリスより多い人数だ。

シリア人難民最大の引受先トルコで、困窮する難民

シリアからの避難中に親を殺されたり、親とはぐれたままの子どもも…

GARDEN Journalismでは、トルコでシリア難民支援を続けるNGO「AAR Japan(難民を助ける会)」を取材してきた。人々が安心して学んだり、過ごしたりできるコミュニティセンターを3年前に設置。シリアから逃れた人たちがトルコで暮らしていけるようさまざまなサポートを行っている。

堀 潤(以下、堀):どうしてこちらのAAR Japanで働くことになったのですか?

ラガド・アドリー(以下、アドリー):ずっと前からシリアでもいろいろ活動していて。赤新月社(赤十字)で活動していて。シリアを離れたといっても、シリア人のための活動をやめたいわけではなかったので。もともと日本語を専攻していて、日本で活躍しようと思っていまして、日本でいろいろ探したらAAR Japanがよくいろいろなところで活動していますので、AAR Japanに入ったらと思っていました。

シリア人スタッフの祖国への思い

:今シリアでは大変な状況が続いていますが、祖国にはどのような思いを抱いていますか?

アドリー:複雑な思いです。早く今の危機を終わらせるために毎日頑張っていきたいと思います。

:日本で活動してどのようなメッセージを発信したいと思いますか?

アドリー:シリアは遠く離れた国だからと、自分と関係ないという思いを持つ人がいます。日本だけじゃなくて、いろいろな世界で。私たち全員人間なので、人間が人間のために何かをやらないと。人間が困ったら、誰かが助けないと困りますので。なので、みんながみんな支え合ったほうがいいと思います。よろしくお願いします。

:どんなことをいちばん知ってもらいたいと思いますか?

アドリー:まずは知ってほしいです。本当のシリアを。戦争中のシリアではなく、本当のシリアをまずは知ってほしい。もちろんAARとかに寄付をするのも支援となりますが、いろいろなところに行ってシリアのことを伝えてくれたらと思います。

:本当のシリアというのはどんなシリアですか?

アドリー:平和なシリア。紛争の前のシリア。

:いつまでシリアにいて、いつからシリア国外に出られたんですか?

アドリー:まずは千葉大学で1年勉強をしに2010年に行って、そこで紛争が始まりました。私が離れた時と戻ってきた後のシリアは全然違っていました。それで2011年9月シリアに戻って、そこでずっと去年までシリアでずっと活動をしていました。去年日本に来ました。

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