医学部合格戦略のユニークなアプローチとは 受験生の強みと相性の良い医学部を見極める

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受験生に得意・不得意があるように、入試問題にもクセがある。自分の得意分野を出題してくれる大学であれば、偏差値以上の力を出せるはずだ……。1点の差が合否を分けかねない中にあって、相性の良い大学を見つけることも合格戦略の重要な要素となる。そうしなくてはならないほど、医学部人気はとどまるところを知らないのだ。もちろん、偏差値も軒並み上昇している。さらに、地域枠、推薦入試、AO入試、センター試験利用入試など、入試区分の多様化が、一般入試の枠を狭め、難易度上昇に拍車をかける。数十年前に医学部入試を経験し、子どもを医学部に、と願う医師からは「こんなに難しくなっているのか」と驚きの声が上がるのが現状だ。

こうした難化する医学部への合格で、実績を伸ばしているのが医系専門予備校メディカルラボだ。佐分篤史・本部副統括は「医学部志望は医師になることを目指すということ。まず何より医学部合格が先決です」と述べ、合格可能性の高い大学を狙うことを考えるべきと訴える。

とりわけ私大医学部入試の特徴は「比較的出題に偏りが大きい」と佐分氏。「医学部のある大学は医科大学という小規模な単科系大学になっているところが多いため、入試問題作成者が限られることがその理由にあげられます」と続ける。結果、バランスのとれた一般的模試の偏差値が示す学力が、そのまま合否に反映されにくい状況がメディカルラボの調査によって明らかになっている。そのため、メディカルラボは、全国82大学の医学部の入試傾向を、科目別配点、科目ごとの出題傾向、問題量などについて詳細分析。この出題傾向を、受験生の学力の特徴――得意・不得意科目、科目の中の得意・不得意分野、問題を解くスピード、熟考させる問題の得意・不得意――と比べることで、学力的に相性のいい大学と「マッチング」し、志望大学に加えることで合格率アップを図ってきた。

佐分篤史/本部副統括

「相性の見極めは、合格者最低点が示すボーダーラインの1~2点以内に数十人がひしめくような、難関入試において合否を分かつ決定的な要因になり得ます。特に、出題傾向の偏りが強い医学部入試の場合は、偏差値が示す総合的学力に多少の差があっても、適性次第で覆る可能性があるのです」と語るのは小川友輝・メディカルラボ東京統括校舎長。「偏差値で5ポイント程度の差であれば、相性や、秋からの直前期対策によって十分、逆転できるのです」と強調する。なぜ、そう言い切れるのか。

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