デジタルテクノロジー時代のCFO像とは 『デジタルCFO』出版記念フォーラム

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RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)などのITに向き合う、新しいリーダー像を提言した『デジタルCFO』(東洋経済新報社刊、EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング著)の出版記念フォーラムが東京・千代田区で7月12日に開かれた。冒頭、東洋経済新報社の田北浩章・常務取締役は流通、金融業界を例に「デジタルの波は業界の壁を壊し、業務を変貌させています」とあいさつ、変革の重要性を訴えた。
主催:東洋経済新報社 協賛:EYアドバイザー・アンド・コンサルティング

基調講演
破壊的変化を待つのか、
それとも掴みに行くのか

高見 陽一郎氏/EYアドバイザリー・ アンド・コンサルティング パートナー

『デジタルCFO』を監修したEYアドバイザリー・アンド・コンサルティングの高見陽一郎氏は、最新テクノロジーや、それを取り込むCFO組織のリーダーシップについて話した。CFO組織を取り巻く環境は、経産省等の政策的な後押しによる新規技術実用化の加速、キャッシュレス社会の到来、外部経済環境変化への対応など、管理部門の変化・効率化が予想される一方、人口減による人手不足で、生産性向上も求められる。その中で、新たなテクノロジーとして、人が行っていた業務をソフトウエアで再現し、業務プロセスを自動化するRPA、膨大なデータから傾向を読み取り、問題がありそうなところに見当をつける人工知能(AI)が今後、ますます注目されると考えられる。RPAは、投資効率の問題でシステム化できずに人手に頼っていた定型的業務を従来よりも低コストで自動化。これにより、余裕が生まれた人材を高付加価値業務に回すことができる。AIは、この新たな付加価値創出を支援することが期待される。マネジメントの備えとして、高見氏は、デジタル導入という手段が現場レベルで目的化したり、デジタルに人が駆逐されたりするといった誤解を招かないよう、導入目的を明確にするビジョン・戦略の構築と、人に求められるスキル変化に対応できる社員のマインドセット変革の二点を指摘。「人の仕事がデジタルに置き換えられても、人はさらに別の付加価値を生み出すことに時間を使うことができます」と強調した。

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