官民WIN・WINの価値創造型PFI・PPPを
トータルに支援
【アドバイザリーサービス編】 パシフィックコンサルタンツ
業界の草分け的存在として60余年にわたって国内外の社会資本整備に幅広く関与、PFI・PPPの分野でも建設技術と事業マネジメントの総合力をいかんなく発揮し、先駆的な取り組みを進めている。
幅広い施設やサービスに
多様なPFI・PPP手法で対応
「当社は、国内のPFIの黎明期からこの領域に携わり、推進に貢献してきたと自負しています」と、パシフィックコンサルタンツ PFI・PPPマネジメント部の下長右二部長は語る。その言葉どおり、同社は1999年のPFI法の施行以前から調査研究を行ってきたほか、制度形成にも参画してきた。
わが国初の本格的なPFIプロジェクト「千葉市消費生活センター・計量検査所複合施設整備事業」(01年)をアドバイザーとして支援したのも同社だ。以来、学校、庁舎、文化施設、体育施設、医療福祉施設、廃棄物処理施設など、幅広い施設やサービス分野において、PFI・PPP導入可能性調査から、民間事業者募集選定アドバイザリー、さらにはモニタリング支援まで、社内の専門技術部署との連携による総合力を生かして、トータルで公共側に対し、各種サービスを提供してきた。
11年に同法が改正され、今後はPFI・PPPの手法も多様化が進むと考えられるが、同社は新たな視点の事業手法についても豊富な経験を有している。その先駆的な事例を見ていきたい。
「公共施設等運営権制度」
を活用したPFI事業
「従来の延べ払い型(サービス購入型)のPFI事業に代わり、実質的に公共施設の事業権を民間に付与する『コンセッション方式』など、大きく4つに分類されるアクションプランが内閣府から示され、PFI・PPPの手法は今後より多様化が進むと考えられます」と、下長部長は話す。
11年のPFI法改正では、コンセッション方式を実施するための「公共施設等運営権制度」が導入された。同制度を活用した事例はまだないが、パシフィックコンサルタンツではすでに類似の事例を手がけている。国土交通省道路局の「直轄駐車場維持管理・運営事業」における民間事業者募集選定アドバイザリー(11年)がそれにあたる。同事業は全国14カ所、合計約2500台分の国の既設直轄駐車場の維持管理・運営について、独立採算型のPFIを適用するものだ。事業期間は13年間である。
民間事業者の選定にあたっては、公募型プロポーザル方式を採用、駐車場事業大手の企業を代表とするグループが選ばれた。選定事業者がすでに保有しているインフラと各駐車場機器のオンライン化、コンタクトセンターの活用、事業者の管理する駐車場会員に対する割引など、利便性の高いサービス提供が評価されたものだ。下長部長は、「独立採算型PFI事業として、公共駐車場の公益性と、民間事業者の裁量とのバランスを確保した料金設定と見直し方法の仕組みづくりが大切です」と、コンセッション方式に向けてのポイントを指摘する。