大手を出し抜く、中堅・中小の人事改革とは? 自社の潜在力を信じ、徹底的に変わる決意を

拡大
縮小

「大企業で人事改革を実行しようとすると大きなパワーが必要となり、時間がかかります。既得権益を持つ社員や組織が抵抗勢力になることも考えられます。一方、中堅・中小企業なら経営トップが『会社をこう成長させたい』という強い意志のもと、トップダウンで施策を実行しやすいので、スピード感を持って実現できる可能性があります」

制度設計などについても、中堅・中小企業なら思い切った取り組みが可能だ。大企業に正社員で勤めていたような知識とスキルを持つ女性でも、一度、出産や育児で職場を離れてしまうと、責任ある仕事に戻ることが難しいこともある。そのような人材が活躍できる職務や組織、働き方などを用意することができれば、彼女たちの受け皿になることが可能になる。

そして、そのような柔軟な人事制度は、今いる人材の能力を引き出すことにもつながる。家庭の事情や自身の希望から、地元の中堅・中小企業に入り、パートや派遣社員というオペレーションの多い職種を選んでいる人もいるが、この中には能力の高い人もいるからだ。

もう一つのポイントとして、「環境整備」に取り組むべきだと和田氏は話す。

「多様な働き方が主流になる中では、社員一人ひとりのポテンシャルを最大限に引き出すマネジメントが必要です。そのためには、社員それぞれが時間や場所にとらわれない働き方を試行でき、会社がそれを支援できる環境づくりが必須になります。そのプラットフォームとしてIT機器は必須になります」

サテライトオフィス、テレワークなどの注目が上がっているが、内実はと言えば、日本企業の60%が依然として、PCの社外への持ち出しを禁止しているという。これでは、いつでもどこでも仕事ができるような働き方を実現することは難しい。

一方で先進的な企業の中には、家庭やカフェなど、会社以外の場所で仕事ができるモバイルワークを含めた柔軟な勤務体系を実現しているところもあるが、そのためには一定のIT環境が必要だ。たとえば、軽くて持ち運びやすく、セキュリティの高いノートPCやモバイルデバイスがあり、さらに、ネットワークやクラウドなどのインフラが整備されていて、必要に応じてリモートで会議にも出席できる。そんな環境だ。

今どきPCのない企業はないだろうが、今後はその使い方が問われることになる。ITを活用することで働き方を見直し、最終的には独自の付加価値を創出しなければならない。

「人材の見方・活用の仕方を変えれば、業績を伸ばすこともまだまだ可能なはずです。どんな企業でもあきらめずにいろいろと試行錯誤していただきたいです」

あらゆる企業に効くような万能な処方箋はない。ただ、改善のヒントは社内外を問わず、至る所にあるはずだ。

北陸銀行が女性活用のために採用した解決策とは

 北陸エリアを中心に展開している「北陸銀行」は、IT環境を整えることで業務の改善に成功した。導入したのは、最新のインテル(R)CoreTM M7 プロセッサ搭載「HP Elite x2」だ。

 生産性が上がり、行員が時間を有効に使えることになっただけでなく、ペーパーレス化が進んだことで、会議資料の準備もなくなったという。行員のQoL(Quality of life:クオリティ・オブ・ライフ)を高めた北陸銀行の取り組みとは。

関連情報