8Kの先頭に立つシャープの技術力のスゴさ 「超高精細」「超臨場感」の世界がやって来る

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「85型モニターは畳一畳分くらいの大きさで、奥行きは約20cm、重量は100kg、消費電力は1440wもありました。しかし、今回の70型では内部の回路基板数を3分の1以下に削減、冷却用ファンも85型では10個以上あったものが70型では0個を実現。その結果、消費電力を約3分の1(470W)、重量を約半分(42.5kg)にすることができたのです」(高吉氏)

今後は8Kを軸にしたエコシステムを構築

シャープでは2018年の実用放送に向けて、視聴者のニーズに合わせたサイズバリエーション、関連機器の拡充といった家庭向けへの本格展開を見込む。

「8Kの登場はマーケットの構造を変える起爆剤になります。そのため家庭用向けに、サイズバリエーションや普及価格への対応ほか、8K放送対応のチューナーやレコーダーについても開発を進め、新しいマーケットを創出したいと考えています」(宗俊氏)

シャープの強みは液晶パネルの開発から製品設計、テレビの製造まで、すべて自社で対応していることだ。今後も画像処理用大規模集積回路(LSI)の自社開発を進めるなど「One SHARP」で高性能・高品質を実現していく方針だ。

ディスプレイデバイスカンパニー
デジタル情報家電事業本部
栃木開発センター
第二開発部 課長

武田 倫明

「パネルやLSIは外部調達、製造も外部といった水平分業体制が今盛んですが、やはり8Kといった新しい技術に取り組むためには、自社の中できちんと開発し生産していくことが高いクオリティーを保持する秘訣だと考えています」と語るのは同じくディスプレイデバイスカンパニーのデジタル情報家電事業本部 栃木開発センター 第二開発部課長の武田倫明氏。

8Kは今後、医療分野、映像編集やデザインの現場、デジタルサイネージやデジタルアーカイブの分野など放送以外のさまざまな分野でも活用が期待されている。

「8Kディスプレイを、単純に映像を表示するだけでのデバイスとしてではなく、8Kを中心としたエコシステムを構築することで、いろんな用途への活用を提案していきたいと考えています。そのためにも、放送編集システムへの参入、クラウド型ネットワークサービスの充実、映像機材の拡充といったことを手始めに、トータル・ソリューションとしての8Kビジネスを進める方針です」(宗俊氏)

臨場感はもとより、立体感や実物感、さらにはその場の空気感さえも伝えられる8K。シャープは、この新しい感動や驚きの体験を家庭のリビングに届けることで、今後も世界中の映像文化の発展と向上に貢献していく方針だ。