みずほ銀行が34歳の支店長を抜擢した理由 能力のある人が活躍できる組織を目指し改革

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「これまでの銀行は、『年次』を過度に意識し、相対評価の中で、専ら改善すべき課題にフォーカスする査定型評価のもと、『日本人、総合職、特に管理職(マネジメント)型』の人材を中心とした運営を行ってきました。<みずほ>では現在、こういった旧習や不文律をなくすための『人事運営の抜本的な改革』を進めています」

2016年5月、みずほFG社長・グループCEO(最高経営責任者)の佐藤康博氏は、新たな中期経営計画の発表の場で、銀行産業における年功序列制度を崩していく旨の発言をした。「人事運営の抜本的改革」はこの一環でもある。

これまで日本の銀行の昇進といえば、同期入社同士の競争だった。「『一度失敗すると二度と追いつけない』といった、前例踏襲・現状維持志向のカルチャーを組織に根付かせてしまったことは否めません」と、宇田氏は話す。

最大の資産である人材が
新たな<みずほ>をつくる

銀行の年次主義を打破するといっても、長年の慣行を改革することに抵抗感があるのではないだろうか。

みずほフィナンシャルグループ
グローバル人事業務部長
執行役員
宇田 真也

「そのためにも、実力本位かつ適材適所の配置・登用を徹底的に推し進め、若手の抜擢も積極的に実施していきます。具体的には、『全社員が活躍する』『絶えず成長する』『能力を100%発揮する』『長く活躍する』という4つのキーワードのもと、雇用形態や職系や年齢に関係なく、一人ひとりがさらに能力を発揮できるようにしていきます」(宇田氏)

ここで誤解してはならないのは、決して「若手だけ」にチャンスを与えるものではないことだ。宇田氏が紹介するように、あくまでも「全社員が活躍する」「絶えず成長する」ことを目指しているのである。たとえば、30代前半の支店長を抜擢登用する一方で、50代ではじめて支店長に就任した人もいる。さらにこの7月には、支店長登用のみならず、50代半ばでこれまでの経験や培ってきた専門性を活かし、プロとして、より一段高い職責を担いうるベテラン社員の昇進も検討しているとのことだ。まさに、年次や年齢あるいは経験年数にこだわることなく、昇進の機会が与えられているのである。

「金融ビジネスは、いま、大きな転換期を迎えています。旧来のいわゆる『優秀な銀行員』では、お客さまに付加価値を提供することが困難な時代となっています。<みずほ>の目指す総合金融コンサルティングを通じたお客さまへの真の価値提供を実現するためには、変革を恐れず、自らの力で未来を切り開く力があり、そして何よりも、誰もが一目置くような魅力あふれる人間力を兼ね備えた人材こそが必要である、と確信しています」と宇田氏は語る。

<みずほ>は大きく変わり始めているのかもしれない。

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