即効!すぐに使える「マーケの技術」 つい、買ってしまうのには深いワケがある
すべてのビジネスパーソンに、マーケティングの素養が必要な時代
「プレミアムビールというジャンルは、実はかなり昔からありました。でも、長い間、あまり売れなかったんです」

研究室 代表
元電通総研・研究主席
四元正弘
1960年神奈川県生まれ。東京大学工学部卒業。消費者分析、商品開発、マーケティング戦略策定などを専門とし、多数の講演を行っている。マーケティングの視点から、地域ブランド開発も手がける
元電通総研で、現在は四元マーケティング・デザイン研究室代表を務める四元正弘氏が言う。「CMでは、商品の品質の高さを訴求していましたが、効果は上がりませんでした。ところが別のメーカーがプレミアムビールを発売して、CMで『最高の週末を』というキャッチフレーズを使ったところ大ヒットしたのです。前者のメーカーは一所懸命ビールを売ろうとしたのに対し、後者のメーカーはそのビールを飲んで得られる豊かな時間や気分を訴求して成功したわけです」
企業は、モノを売っている。しかし、消費者は必ずしもモノだけを求めているのではない。だから企業は、商品そのものの良さを語るのではなく、消費者が望む価値を知り、それを訴求すべきだというのが四元氏の論だ。
「それがマーケティングの本質です。モノ余りの時代こそ、マーケティングが重要であり、広告やマーケティングの仕事に携わっている人に限らず、すべてのビジネスパーソンがマーケティングの基本的な素養を身に付けるべきです」と指摘する。
このたびTAC出版から発売された『#HOOKED(フックト)』という本のサブタイトルには、「消費者心理学者が解き明かす『つい、買ってしまった。』の裏にあるマーケティングの技術」とある。HOOKとは「しかけ」を指し、心にひっかかり、気になって仕方なくなるような要素のことだ。
メッセージはできるだけ短く、シンプルに
まず目を引くのが、表紙の子猫の写真。「かわいい動物の写真が人間の集中力を引き出す」とあるのだが、これには科学的な裏付けがあるという。
『#HOOKED』では、このような「HOOKを作り出す10の法則」が紹介されている。たとえば、「ハードルをとことん下げる」というHOOK の章では、これを実践するためのヒントとして「メッセージはできるだけ短く、シンプルに。長いメッセージは読まれにくいし、理解される情報量が少なくなる」と解説がある。これはメールや報告書の書き方にも通じ、どんなビジネスパーソンも使えるワザだろう。