戦略的IT基盤フォーラム2013 ビジネスを加速させる、 IT統合・クラウド基盤構築と標準化戦略
コスト削減による競争力向上の視点~
経済のグローバル化が加速する中、企業にとっては本社機能の強化による競争力の向上が課題として浮上しており、そのためのIT基盤構築が急がれている。
各分野の専門家の知見を自らのものにしようと、会場はいずれも盛況であった。
[基調講演]
サービスイノベーション時代の
企業情報システム
フォーラムは、野村総合研究所の古明地正俊氏による基調講演で幕を開けた。まず古明地氏は、同社が多様な技術の中から最適な技術を選別するITナビ活動を行っていることを紹介したうえで、2010年代はクラウドコンピューティングがインフラの主流になっていることを指摘。続いて、キーになる技術トレンドとして、「産消逆転」、クラウドコンピューティング、ビッグデータの三つを挙げた。なお「産消逆転」とは消費者のIT利活用環境が企業のそれを凌駕している状況を指す。
古明地氏は、こうしたトレンドを背景に、今後はIT自体がサービス化される方向に進むとともに、ITを活用してサービス分野のイノベーションを起こしていくことが重要になっていくと指摘。クラウドコンピューティングは容易にコスト削減ができる分野での利用が拡大しているが、今後はサーバーと比べ迅速にIT基盤が構築できるというメリットを享受できる分野での利用が拡大するという見方を示した。
[講演]
帳票システムの基盤化と
アウトプット・マネジメントの重要性
さまざまな帳票運用基盤ソリューションを提供しているウイングアークの谷口功氏は、帳票という切り口で講演を行った。谷口氏はデータを基にIT投資が増加傾向にあること、投資分野の優先順位ではIT基盤の統合と再構築がトップであることを示したうえで、官公庁や民間での事例を紹介。帳票のアウトプットを基盤化するだけでも効率化は進むと述べた。また、各システムでの帳票運用をカバーできること、帳票保存に対応できることなど、総合出力基盤のための七つの確認事項を例示した。
続いて、帳票が多様化していることを示したうえで、日本企業の海外進出などを例に挙げてグローバル化への対応も必要であることを指摘した。さらに、紙ベースであろうと電子帳票であろうと、帳票の保存が重要であることに変わりはないと主張。最後に、帳票システムを基盤化した場合の運用例をデモンストレーションし、講演を終えた。
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