東洋経済オンラインとは

中途採用を強化する人事3000人のリアルデータに見る
今、注目の採用手法”ダイレクト・ソーシング”とは

AD
  • インテリジェンス
求人倍率は上昇の一途をたどり、激化している企業の採用環境。転職希望者の意識と行動も変化しており、時代の流れに対応できず苦戦する企業が急増している。求める人材を獲得するため、さまざまな採用手段を駆使し、各社が「自社ならでは」の工夫を凝らすなど、採用の在り方はこの1年で大きく変化した。

採用競争はますます激化の一途をたどっている

「思うように自社にマッチする人材を採用できない」

「求人に応募が集まらず、現場が人手不足で悲鳴を上げている」

と悩んでいる経営者やマネージャー、人事担当者は多いのではないだろうか。

ここ数年、企業の採用環境は激化の一途をたどっている。総務省の調査によれば、雇用者数は5798万人と、2013年以降48カ月連続で増加している。その一方で、有効求人倍率は2016年12月時点で1.43倍となっており、直近の25年間で最高水準にある。軌を一にして、転職サービス「DODA」の掲載求人数は、2017年4月時点では29カ月連続で最高値を更新した。これらの事象から、多くの企業が人材を求めていることが分かるだろう。

さらに、働き方改革の影響も無視できない。残業時間の上限を月平均60時間に規制する政府案が提示されたことで、有給休暇や育児休暇の取得促進の流れも重なり、従業員一人あたりの労働時間は削減の方向にある。結果として、各企業の採用ニーズはますます高まり、採用環境はより難しくなる可能性が高い。

一方で、転職者側のデータを見てみると、求人数は圧倒的に増えているのに、応募件数は増えていない。株式会社インテリジェンス(以下、インテリジェンス)の調査によると、転職希望者一人あたりの月間応募数は、2012年を100とすると2015年では120に留まっている。転職希望者は、数ある求人の中から、自らの応募先を厳選しているのが実情だ。

結果として、応募されない求人が増加し、採用できない企業が増え続けているのである。

変わりつつある中途採用手法の主流

以前のように企業にとって待っているだけでは人が採用できない時代。従来の採用手法は、転職サイトに求人広告を掲載することや、人材紹介サービス会社に依頼し、採用候補者の推薦を待つスタイルだった。
一方で、現在の転職者は、「自分にマッチした求人」や「自分を必要としている求人」を、多くの情報源から自ら探し当て、応募先を厳選する傾向にある。よって、企業側が一歩前に出て、「ウチの会社の求人はあなたにマッチしているし、私たちはあなたを必要としている」と転職者一人ひとりに伝えた方が、応募に結びつく可能性が高い。

この活動をWeb上で行えるのが、「ダイレクト・ソーシング」と呼ばれる採用手法である。転職希望者が登録されているデータベースから、企業が「採用したい経験・スキルを持つ人材」に直接メールでスカウトを送付するやり方だ。スカウトメール送信者(募集企業側)の情報も公開されるので、応募前から信頼性・安心感を与えることができる。日本で徐々に浸透しつつあるこの手法は、欧米では既に主流となっている。

「日本の人事部」の調査によれば、直近1年で43%の企業が「ダイレクト・ソーシングを導入・強化した」と回答しており、既存の手法と並行して取り組む企業が増えていることがわかる。

その中でも、「人材紹介サービスと一緒にダイレクト・ソーシングを活用している」という企業は、2016年6月時点で全体の4%であったのに対し、2017年2月には12%まで急増した。

並行して取り組む理由として、今までと同じやり方を続けていても、必要とする母集団が作れない、間に第三者を介さずダイレクトに候補者へアプローチをしたいという声が最も多く、応募者の質を落とさずに、自らできることがないかを模索している様子がうかがえる。

人事3000人の生の声、ダイレクト・ソーシングの実態

2016年1月~2017年2月、インテリジェンスでは、中途採用活動を行う企業3000社に採用動向を調査するアンケートを実施した。その中で、「現在ダイレクト・ソーシングを実施しているか?」という問いに対し、2016年6月時点では19%の企業が該当したが、2017年2月には35%と、約半年で1.8倍に急増した。同アンケートでは、ダイレクト・ソーシング未利用の企業に対し、「ダイレクト・ソーシングに取り組まない理由」も聞いており、「手間がかかりそう」「応募が集まるか分からない」「自分たちの会社にはまだ早いと感じる(大手企業が活用している印象である)」という不安の声が目立った。

では一体、どのような企業がダイレクト・ソーシングを新たに始めているのか。2016年1月にリリースした、インテリジェンスのダイレクト・ソーシングサービス「DODA Recruiters」を利用している企業の傾向から紐解いていく。

ダイレクト・ソーシングは、人材紹介サービスや転職サイトなど、既存の採用手法の中では比較的新しい分類に入る。利用したことがない企業にとっては、大手企業が活用する印象も強いかもしれない。

一方、実際にDODA Recruitersを利用している企業の社員規模は、全体の54%が300人未満、32%が100人未満と、中小規模の企業が積極的に活用している。母集団の不足や、競合とのバッティングといった深刻な現状に直面し、大手企業に先駆けて取り組みをスタートしているのだ。

また、これらの企業はDODA Recruitersに絞って採用活動を行うのではなく、人材紹介サービスと並行して使っている企業が全体の70%。あくまでも、「人材紹介サービス経由の採用も継続させ、自らも積極的にターゲットを獲得できる手段を拡大し、採用を促進させること」が狙いなのである。

「企業自ら」と聞くと、どうしても「手間暇がかかる」というイメージが先行してしまうが、実は利用企業の35%は、「人事一人でDODA Recruitersを利用している」というから驚きだ。また、毎日のようにスカウトメールを送信し続けるのではなく、「週に2回、午前中だけスカウトメールを送信している」であったり、「2日に1回、夜1時間を採用候補者を探してスカウトメールを送信している」など、各社取り組みやすいスケジュールを立て、上手く運用している。

次に、DODA Recruitersの利用企業を業種別にみると、「IT・通信(19%)」、「建築・プラント・不動産(17%)」、「メーカー(機械・電気・その他)(11%)」、「インターネット・広告・メディア(11%)」などといった分布になっている。

また、募集求人の傾向としては、専門性の高い経験やスキル、資格を求める募集。人材紹介サービスに登録している転職希望者が少ない地方の募集など、母集団形成が難しい求人から活用するケースが多いようだ。DODA Recruitersは募集求人数が無制限であるため、利用企業は1求人に限定することなく、1社あたり平均6職種を募集している。一見多く感じられるが、既存の求人、突発的な欠員を補うための急募の求人、社内外に、採用していることを知られずに募集している求人など、使い方はさまざまであり、各社採用計画・採用戦略に合わせてサービスを利用している。

次に、DODA Recruitersを活用し、採用成功している求人を紹介する。

営業職(27%)、アプリケーションエンジニア・インフラエンジニア等のITエンジニア職(15%)、法務・商品企画・人事等の企画管理系職(13%)、機械・電気系の技術職(11%)、施工管理・設計等の専門職をはじめとした、建設・建築系技術職(10%)など、募集求人の傾向と同様、専門性や条件を限定し、対象を絞った求人での採用成功が大半である。

企業が採用候補者を見る基準は、人材紹介サービス経由での採用と同様であるため、ダイレクト・ソーシングを通じて、経験者や高いスキルを保有した人材の獲得に成功していると言える。

また、採用成功している企業の47%は社員規模300名以下、27%は100名以下の企業が占めており、スカウトメールを受け取った採用候補者は、ネームバリューによることなく、「なぜスカウトが届いたのか」「どんな企業からのスカウトなのか」を理解し、中小規模の企業に入社を決めているのだ。

ではなぜ、一般的に認知度が高く、人気の高い大手企業に応募が集中しないのだろうか。それには、ダイレクト・ソーシング特有の「採用候補者が求める個別性の高い求人情報の届け方」に理由があった。

DODA Recruitersは、115万人の転職者データベースを企業が直接検索し、一人ひとりのレジュメを見て、直接スカウトメールを送ることができる仕様である。この「スカウトメール」は、1通単位で個別に送信ができるため、「その採用候補者に対し、いかに個別性高くアプローチをするか」が、応募率を高める上で、極めて重要となる。

つまり、「あなたの●●の経験を、弊社の○○という仕事で活かしてほしい。ぜひ、お会いしませんか?」というスカウトメールを送ることで、転職希望者に対して「自分のスキルや経験に見合った求人、自分を必要としている求人」ということを強く印象づけることができるのだ。
実際、「複数名に一斉送信したスカウトメール」と「採用候補者一人ひとりに、内容を変えて送信したスカウトメール」では、後者の返信率が20倍も高い。

スカウトメールを効果的に作成するテクニックは、インテリジェンス主催の「リクルーター・アカデミー」でゼロから学ぶことができる。リクルーター・アカデミーは、DODA Recruitersを利用する企業が無料で受講できる講座で、インテリジェンスがこれまで蓄積してきた採用にかかわるノウハウを活かした文面の作成方法をはじめ、レジュメの見方や面接・内定承諾につなげる方法などさまざまなテーマがあり、企業は採用課題により、必要に応じた講座を選択が可能。リクルーター・アカデミーを受講した企業は、受講していない企業と比較し、採用決定率が2倍高く、「これまで自分でスカウトを作ったことがない」という人事担当者も安心して取り組める。

ダイレクト・ソーシングを導入し、採用への向き合い方や行動を見直したことで、

「2年近く応募の集まらなかった求人が、2週間で採用に至った」、

「データベースを検索すると、採用市場に少ないはずのターゲットが300名以上も見つかった」、

「一人あたりの採用費用が3分の1になった」といった成果が続々と生まれ、その極端な変化に驚く企業も多い。まさに、採用の主流が大きく変わろうとしている。次のページでは、ダイレクト・ソーシングの具体的な活用手法を紹介する。

採用状況はたった2カ月で一変する

ダイレクト・ソーシングを活用し、採用が上手くいっている幾つかの企業を紹介しよう。まず1社目は、小売業が展開する金融子会社のA社。業績が好調で、前年比2倍の採用人数の目標を設定した中、いくつか採用難易度が高い職種があった。その中の一つが、情報システム部門のシステムエンジニア職だ。

この職種は、過去1年にわたり1名も採用に結びつかなかったが、ダイレクト・ソーシングの活用により、100名以上の採用候補者にスカウトメールを送り、利用開始2カ月で2名の採用に至った。しかも、内定承諾率は100%を記録している。

その成果の要因は、過去の中途入社者に「応募理由と入社理由」のアンケートを行い、その内容をスカウトメールに盛り込んだこと。自分と近しい経歴を持つ社員の転職のきっかけや同社への応募理由に共感してもらうことで、応募につなげている。更に、人事部長が直接スカウトメールを送付し、「なぜあなたと会いたいのか、入社後どのように活躍してほしいか」を一人ひとりの経歴にあわせてメッセージを送ったことも奏功したという。

2社目は、応募から内定までの選考にかかっていた時間を5分の1に短縮した企業の事例だ。社員規模10名の建設系企業B社は、施工管理職の採用活動を通年で行っていた。オリンピック開催にともない建設需要が旺盛な中、大手ゼネコンが採用活動を活性化。そのため、母集団を作れず苦戦しており、4カ月にわたって面接すら組めない状況に。そこで、ダイレクト・ソーシングを行うことになった。

経験やスキル別にターゲットを詳細化した後、個別に「どのプロジェクトを任せたいのか」を、中長期的なキャリアプランと共にスカウトメールで提示した。

その結果、たった2週間で1名に内定を出すことができ、1カ月以内で2人目も入社を決めたという。短期間で採用に至った要因は、今すぐの転職を希望し、アクティブに活動している採用候補者に限定してスカウトメールを送信したことで、スピード内定につながったそうだ。

これらの事例にみられるように、どちらの企業も要件定義を詳細に行い、非常にスピーディにスカウトメールを送信している。結果として、2カ月という短期間で、専門性の高い経験やスキル、資格を限定したターゲットに個別アプローチし、採用成功に至っているのだ。

他にも、ダイレクト・ソーシングの活用に成功している企業は多い。さらに詳しい事例をはじめ、テクニックやノウハウを知る方法は、人材サービス企業各社が開催している無料セミナーや勉強会への参加が適しているようだ。セミナーの講師に直接質問できることや、ワークショップなどを通じて理解を深められるからだ。採用活動前進の第一歩を踏み出すために、一度、採用のプロフェッショナルたちによるノウハウに触れておくのはいかがだろうか。

>>>セミナー詳細はこちらから