変革期における企業の成長戦略への挑戦
新たなイノベーションと価値向上に挑む、
これからの事業成長の在りかた
特別講演1
企業の再生と成長
〜赤字会社を世界No.1に〜
家庭用脂肪計付ヘルスメーター開発で、赤字会社だったタニタを発展に導いた同社前社長の谷田大輔氏は、単なる体重計の会社から健康のバロメーターとしての体重、さらに体脂肪に着目した健康の会社へ、というコンセプトの変遷を振り返り、販路構築が容易になるオンリーワン戦略の重要性を強調した。今後の成熟の時代に向けては、業界を俯瞰して10年後を予測し、社会問題を解決する事業に注目しながら、コンセプトを変え、販売の伸長を重視することで「事業は成長する方向に変わるでしょう」と訴えた。
パネルディスカッション1
インダストリー4.0(第四次産業革命)
ソーシャルメディアを軸にビッグデータ解析のサービスを提供するホットリンクの内山幸樹氏は「海外の人々の考えや最新動向をいち早くとらえれば、商品開発やプロモーションに生かせます」と指摘した。同社では、インバウンドビジネス向けマーケティング支援や、企業の風評リスク対策にデータ分析を活用。中国版のSNS「ウェイボー」のデータに関するライセンスを持つ米社を買収するなど、データの大元を掌握する戦略を展開。変革の時代に向けて「人類の進化に貢献できるサービスを打ち出したい」と語った。
半導体検査装置の開発販売を手掛けるウインテストの奈良彰治氏は、IoT、ロボット、電気自動車関連へ事業領域を拡大する計画を示した。強みの半導体検査技術とIoTを組み合わせることで、遠隔地にあって人による監視が難しい太陽光発電所の管理・保守支援に参入を予定。スマートウォッチなどから得られる心拍数などのデータを人工知能で解析するヘルスケア事業の開発も進めている。「得意のセンシングなど既存技術を新たなビジネスにつなげ、特許を活用しながら有利な環境で事業展開していきたい」との考えを示した。