アステラス製薬・アシックスが取り組む
出張経費管理の今
VUCAの時代で求められる経営基盤のこれから
カスタマーセッションII
アシックスが取り組む戦略的出張・経費・リスク管理
〜利用開始から1年経過後の今〜
アシックスの竹山道生氏は、コンカー導入の経緯や、導入効果について語った。同社は長年、使ってきたグループウエア用ミドルウエアに代わる旅費精算システムを検討。近年、海外売上比率が70%以上に急増したことを踏まえ、海外出張などのコスト削減、グローバル対応、ガバナンス強化、生産性向上、海外出張のリスク管理の五つを目的として、コンカーを選んだ。2015年3月に導入プロジェクトを開始。約8カ月後から稼働させた。旅行会社からも協力を得て、最適な便を推奨することにより、個人嗜好による航空会社選択が減り、日米間往復平均料金は導入前の23万円から17万円に下がり、海外航空券代全体で21%削減効果が出た。多言語多通貨対応も評価。ガバナンス強化、リスク管理も効果が認められ、さらなる強化を目指す。今後については、コンカーのモバイルデバイスアプリでの承認など、移動時間活用を進め「社員の働き方、生活を変えることにつなげたい」と話した。
パネルディスカッション
ビジネストラベル最前線―攻めと守りのベストバランスを考える
JTB西日本の内海貴之氏は、コンカー・トラベルを用いた、戦略的調達の動きが加速していると指摘。旅費改革に取り組む企業に対する旅行会社の役割は、出張者に満足してもらうだけでなく、旅費調達規程の守護者の立場も加わると、改革に協力する姿勢を示した。コンカー・トラベル導入による調達管理の厳格化は、反発も招くおそれもあるため、社員に導入目的を十分に納得させ、コンカーのシステムが理念的に受け入れられる環境整備の重要性を強調。「旅費改革は購買と調達の適正化。取り組めば必ず成果は出ます」と訴えた。
アシックスの高橋路子氏は「経費海外航空券代削減効果が選定理由のポイントの一つだったので、高い目標を掲げる必要があった」と、同一条件での海外航空券代20%削減を目標に設定した理由を説明。JTBからは「目標達成には相当の覚悟が必要」と指摘を受け、割引のある21日前予約など旅費規程遵守に、高い当事者意識で取り組んだことを振り返った。
アステラス製薬の岩田仁志氏は、詳細を可視化できるクラウドシステム導入による牽制効果を強調。ガバナンスやコンプライアンスをシステム導入の目的にすることで、現地マネジメントの同意を得やすくなる、と指摘した。また、「会社によって課題意識は異なるが、間接費改革は小さくやっても時間がかかるだけなので、トップダウンも大事」と述べた。
コンカーの阪尾素行氏は、コンカー導入のメリットを利用者に示して理解を得ることも大事として「出張者リスク管理機能はその一つになると思います」と語った。