主催:東洋経済新報社
協力:コンカー

基調講演
戦略的経営を実現するビジネストラベルマネジメントのベストプラクティス
代表取締役社長
三村 真宗氏
世界で約4万社、日本でも時価総額トップ100内の2割以上、約600社が利用する出張・経費精算業務システムを提供するコンカーの三村真宗氏は「旅費は短期的な改善を見込むことができ、仕組みによる最適化が可能です」と述べた。特に単価・最適化余地の大きな海外旅費の場合、売上高1千億円の企業の場合、平均的出張費は売上高の1%・10億円だが、コンカー導入で20%削減でき、2億円の利益押し上げになると試算。「出張管理は重要な経営課題です」と訴えた。
コンカーのシステムは、最適な出張管理のため、ガバナンス、コスト、生産性、可視化、危機管理の五つの観点に対応。ガバナンスとコストについては、自社予約システムによって予約時に出張規程を自動チェックして不正を防止するとともに、推奨チケットの優先表示、優遇企業レート活用で費用低減を図る。生産性向上は、予約の一元化、確認の簡素化、セルフサービス化、ペーパーレス化で業務量を削減。可視化については、出張費の詳細を分析して規定外予約を把握し、リストアップされた常習違反者に警告することで、適正化を促す。危機管理は、出張者の旅程を管理して、テロや自然災害などの危機発生時にはショートメッセージサービス(SMS)で安否確認する機能を搭載した。コンカーでは、オープンプラットフォーム化、外部サイトとのパートナー戦略を推進。コンカー・トラベル以外での予約もデータ連携により、旅程管理や経費精算をコンカーのシステム上で一元的に行えるようにした。
デモンストレーション
出張コストの適正化と業務の効率化を実現する最新トラベルソリューション
ソリューション統括部
部長
柏原 伸次郎氏
コンカーの柏原伸次郎氏は、海外出張の予約から精算手続きまでをサポートするコンカー・トラベルのサービスの画面を示してデモを行った。航空券予約は、行く先、日付を入力すると、会社推奨の便が上位に表示され、会社規定に合わない便はアラートマークが表示される。宿泊先は、オフィス周辺の地図上から選択でき、ここでも規定外のホテルはアラートマークが付く。旅程は、紙に印刷したファイルを持ち歩かなくても、モバイルアプリから閲覧可能。経費精算は、予約情報、法人カードの利用履歴のほか、電子レシート対応のホテルなら、電話代や駐車場代なども自動で取り込める。さらに出張手当を計算する機能もあり「ほとんど手入力せずに精算できます」と精算業務の手間の大幅削減を強調した。
カスタマーセッションI
グローバルカンパニーから見るBTMのあり方とは
調達部
部長
岩田 仁志氏
アステラス製薬の岩田仁志氏は「コンカーのツールには、ガバナンス向上の効果を期待しています」と話した。海外売上高が6割以上を占める同社は海外出張も増加。出張の申請・確認作業の効率化と、海外出張の必要性の管理も含めたガバナンス強化が課題だった。米国では十数年前に導入されていたコンカーを日本でも導入したのを機に、海外の予算ホルダーを出張の承認者とすることで予算統制を強化。出張者が旅費規程に反した予約をした場合に事前チェックできるよう、発券前に部門上司が承認するフローに変更した。「間違った承認をしないように上司の責任を強めることが重要です」と強調した。コンカーのクラウドシステムを海外グループ会社に導入したことで本社からの監視が可能になり、暗黙のガバナンスが働くようになった。「誰が何にどう責任を持つか、明確にしなければ、ツールだけではガバナンスは利きません」と業務フローの重要性を訴えた。
カスタマーセッションII
アシックスが取り組む戦略的出張・経費・リスク管理
〜利用開始から1年経過後の今〜
グローバル人事総務統括部
総務部総務チーム
アシスタントマネージャー
竹山 道生氏
アシックスの竹山道生氏は、コンカー導入の経緯や、導入効果について語った。同社は長年、使ってきたグループウエア用ミドルウエアに代わる旅費精算システムを検討。近年、海外売上比率が70%以上に急増したことを踏まえ、海外出張などのコスト削減、グローバル対応、ガバナンス強化、生産性向上、海外出張のリスク管理の五つを目的として、コンカーを選んだ。2015年3月に導入プロジェクトを開始。約8カ月後から稼働させた。旅行会社からも協力を得て、最適な便を推奨することにより、個人嗜好による航空会社選択が減り、日米間往復平均料金は導入前の23万円から17万円に下がり、海外航空券代全体で21%削減効果が出た。多言語多通貨対応も評価。ガバナンス強化、リスク管理も効果が認められ、さらなる強化を目指す。今後については、コンカーのモバイルデバイスアプリでの承認など、移動時間活用を進め「社員の働き方、生活を変えることにつなげたい」と話した。
パネルディスカッション
ビジネストラベル最前線―攻めと守りのベストバランスを考える
グローバル人事総務統括部
総務部 部長
高橋 路子氏
ビジネストラベル支店
営業開発シニアプロデューサー
内海 貴之氏
コンカー事業開発部
部長
阪尾 素行氏
JTB西日本の内海貴之氏は、コンカー・トラベルを用いた、戦略的調達の動きが加速していると指摘。旅費改革に取り組む企業に対する旅行会社の役割は、出張者に満足してもらうだけでなく、旅費調達規程の守護者の立場も加わると、改革に協力する姿勢を示した。コンカー・トラベル導入による調達管理の厳格化は、反発も招くおそれもあるため、社員に導入目的を十分に納得させ、コンカーのシステムが理念的に受け入れられる環境整備の重要性を強調。「旅費改革は購買と調達の適正化。取り組めば必ず成果は出ます」と訴えた。
アシックスの高橋路子氏は「経費海外航空券代削減効果が選定理由のポイントの一つだったので、高い目標を掲げる必要があった」と、同一条件での海外航空券代20%削減を目標に設定した理由を説明。JTBからは「目標達成には相当の覚悟が必要」と指摘を受け、割引のある21日前予約など旅費規程遵守に、高い当事者意識で取り組んだことを振り返った。
アステラス製薬の岩田仁志氏は、詳細を可視化できるクラウドシステム導入による牽制効果を強調。ガバナンスやコンプライアンスをシステム導入の目的にすることで、現地マネジメントの同意を得やすくなる、と指摘した。また、「会社によって課題意識は異なるが、間接費改革は小さくやっても時間がかかるだけなので、トップダウンも大事」と述べた。
コンカーの阪尾素行氏は、コンカー導入のメリットを利用者に示して理解を得ることも大事として「出張者リスク管理機能はその一つになると思います」と語った。