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オープニングアドレス
グローバルに勝ち残っていくための投資判断、資本政策、事業再編のあり方
経済産業省
経済産業政策局産業資金課長
兼新規産業室長
経済産業省の福本拓也氏は、企業がイノベーションを起こし、収益性を高めるための課題として最適な事業ポートフォリオ構築、経営資源配分、M&Aを挙げた。長期投資を促す投資家との対話に関する施策などを紹介。「企業が第四次産業革命を勝ち残るための課題の克服は、CFOに期待される役割とも密接に関連します」と述べた。
問題提起
CFOの役割と今後の課題
〜複雑化・多様化する外部環境への対応〜
PwCあらた有限責任監査法人
財務報告アドバイザリー部
パートナー
PwCの福永健司氏は、地政学や為替などの領域で世界の不確実性拡大や、M&Aの伸長といった最近の外部環境変化を指摘。リスク管理やPMI(事業統合プロセス)におけるシナジー創出といったCFOの役割の重要性を強調した。また、日本のCFOは財務関連機能の高度化が中心で、企業価値の持続的向上を使命とする欧米とは役割が異なっているが、今後は、企業価値創造を提言し「ビジネスパートナーとして事業に能動的にかかわることが期待される」と述べ、育成には体系的教育プログラムの必要性を示した。
基調講演
どうしてCFOは育たないのか
早稲田大学大学院
経営管理研究科教授
早稲田大学大学院の大村敬一氏は、日本でCFOが育たない理由を分析。財務、キャッシュフロー、税務戦略、資本調達などCFO機能が急速に拡大・多様化している中、その役割についての見解に相違が生じやすくなっていること、企業サイドでの立ち遅れが生じているとの見方を示した。また、国家全体の資源の最適配分を優先する日本の資本主義では、企業の独自性が弱く、CFOの役割も小さい傾向を指摘。以前は銀行にアウトソーシングされていた財務機能が、近年の銀行離れで内部化の必要に迫られていることもあり「経営者は、財務の知識・意識の向上を内部人材に促す環境を整えるべき」と訴えた。
経理財務部門の変革
CFOが取り組むべき間接費改革
〜間接費改革を通じたガバナンス・生産性の改善に向けて〜
コンカー
代表取締役社長
クラウド型の出張・経費精算などのサービスを提供するコンカーの三村真宗氏は「CFOのリーダーシップがあればコストを短期で改善できます」とクラウド活用による間接費改革を提案した。従業員経費は、交通系ICや法人向けクレジットのカードデータを直接取り込むことで入力作業を自動化すれば経費精算にかかる時間を1カ月あたり48分から8.3分に減らせる。ベンダー経費はBPO利用で請求書の入力作業を自動化し、部門ごとにバラバラだったベンダー選定の統制強化でコスト削減。出張経費はBTMの導入などで2〜3割削減可能とした。同社は、タクシー会社や旅行会社ら経費発生元と連携して経費を自動化、見える化できるオープンプラットフォームを構築しており、その利用を呼びかけた。
CFO講演
CFOグループが躍動する商社新時代に向けて
伊藤忠商事
代表取締役
常務執行役員CFO
伊藤忠商事の鉢村剛氏は、傘下に消費生活領域の比較的小規模な事業会社を多く抱えていることから、それらの会社を経営管理面でバックアップできるように「CFOグループ人材にはマルチスキルを求めています」と説明した。その育成のため、原籍制廃止やローテーションなどの人事制度、事業部門社員が財務経理を学ぶ職能インターンなどの研修制度を整備してきた。「世界で通用するCFOには、尊敬を集められる人間力が必要。総合商社のCFO人材が躍動し、事業会社を牽引すれば波及効果は大きいはず」と述べた。
CFOの役割
CFO人材育成のファーストステップ
キリバ・ジャパン
代表取締役社長
キリバ・ジャパンの桑野祐一郎氏は「営業職は、最初に顧客を獲得して1億円を売り上げるには2億円のコストをかけても構わないと考えるかもしれませんが、それでは会社が持ちません」と財務の重要性を強調。また、経理系のシステムで高額なERPを導入していても、財務系の業務は表計算ソフトと手作業に頼っている現状を指摘した。企業にとって最重要なイノベーションに対して、最大の支援者にも、最大の敵にもなり得るのがCFOだとして「会社の資金状況(キャッシュポジション)を把握し、ビジネスをファイナンスの視点で語り、投資家に対して自社を売り込めることが大事」と示唆。クラウド型TMS(トレジャリー・マネジメント・システム)を使うことで、欧米のベストプラクティスを享受でき、人材のモビリティが可能となるためCFO人材の育成の第一歩になると訴えた。
CEO講演
CFОはCEОを目指せ!〜CEOがCFOに期待すること〜
カルビー
代表取締役会長兼CEO
カルビーを高収益体質に変えた経営者の松本晃氏は「CEOの右腕はCHO(最高人事責任者)、左腕はCFO」と、その重要性を訴えた。CFOは財務・経理、M&Aなどの知識・経験と、経営への責任感を持ち、CEOが実行しようとする投資の是非を最終判断する三塁コーチ役を担うため「CEOにNOを言える勇気が大事」と話す。また、財務以外に、法律や英語を身に付け、マーケティング、人事、IT、製造、セールスなど広範な領域も一通りわかるジェネラリストとなることで「CFOはCEOを目指すべき」と語った。
徹底討論
世界で通用するCFO人材の育成
佐々木 亮輔氏
PwCコンサルティング
人事・チェンジマネジメント
パートナー
横山 之雄氏
日清食品ホールディングス
取締役・CFO兼常務執行役員
松本 佐千夫氏
LIXILグループ
執行役副社長
経理・財務・M&A担当CFO
モデレーターのPwC、佐々木亮輔氏は、技術革新などに伴って財務経理機能のあり方が変わる中での、CFOの役割、人材育成、経営への貢献についての問いを提起した。
LIXILグループの松本佐千夫氏は、活発なM&Aで海外売上比率は数%から3分の1を超えるレベルに急伸した結果、グローバル人材が不足する現状を踏まえ、ITやシェアードサービスで経理オペレーションをスリム化し、戦略・企画管理人材を厚くする考えを示した。育成については、同社は、事業部に対する牽制機能を高めるため、全経理社員をCFO管理下に置き、計画的ローテーションを実施する経理社員制度を導入している。CFOは「会社にとって課題があると思う案件に関しては、体を張ってでも止める覚悟が必要」と述べた。
日清食品の横山之雄氏は「CEOと一蓮托生のビジネスパートナー」とCFOの役割を表現した。企業は儲かる力だけでなく、儲かり続ける力が必要で、そのためにCFOは数字の基である現場活動へ届く杭を打ち、センサーを張れる「ヒトと仕組み」を持つ必要がある。海外の売り上げを急伸させる同社は、国内外で一貫した業務プロセス基盤確立に向けた財務人材確保が急務。そのために、財務経理業務の合理化を図り、生産性を向上させる仕組み・整備の考えを示した。CEOには「YES・BUTではなく、必要なら最初からNOと言えることが大事」と述べた。
三村 真宗氏
コンカー
代表取締役社長
桑野 祐一郎氏
キリバ・ジャパン
代表取締役社長
コンカーの三村氏は、CFOが事業・業務課題を深く理解し、必要な仕組みを構想できれば、後はクラウドサービスで実現できると、CFOのITリテラシーに期待。
キリバ・ジャパンの桑野氏は、財務もビジネスも幅広く理解したグローバルCFO人材育成は難しい課題だが、財務経理を高度化する同社システムの提案を通して支援していきたいとした。