民事再生を活用する
正々堂々とした企業の再挑戦を支援
中島成総合法律事務所
中小企業金融円滑化法が2013年3月末に期限を迎えた。今後、企業において資金調達が困難になるなど、影響が出るのではないかと懸念されている。経営の厳しい企業の不安は募るが、「営業利益を出せる可能性があるならば、負債が大きいからといって破産しかないと決めつけるのではなく、再チャレンジの道を探って欲しい」と語るのは、企業の民事再生手続きに詳しい中島成弁護士だ。同弁護士に、経営者へのアドバイスを聞いた。
民事再生手続きで正々堂々と再挑戦を
「経営が悪化した企業の経営者は、倒産を避けるため、1日でも延命しようとするものです。しかし、単に先延ばしするだけではかえって債権者や取引先の損害を大きくすることになりがちです」
中島弁護士は、名古屋地方裁判所の裁判官を経て、1990年に弁護士として独立した。折しもバブル経済崩壊により経済社会のさまざまな矛盾が露呈し、その後の倒産法などの新法制定につながる時期でもあった。中島弁護士が企業法務や企業の民事再生の分野を専門とするようになったのも、社会の要請を先取りしたものと言える。
また中島弁護士は、民事再生法や商法・会社法をわかりやすく解説する著書も精力的に出版している。『商法のしくみ』(92年)や『民事再生法の解説―企業再生手続―』(11年)など、評価の高いヒット作も多い。専門的な分野をできるだけわかりやすくとの思いがあり、氏の人柄がにじむ。
「民事再生手続きは、企業の過剰な債務を債権者の同意によって免除し、事業を再生する法的手続きであり、正々堂々と再挑戦できる手法です。窮地に立つと経営者は強い自責の念に駆られますが、債権者も事業を共にする、言わばパートナーです。経営者が一人で悩む必要はありません」と中島弁護士は力を込める。