レンジローバー「ヴェラール」驚きのスタイル 新型SUV、日本では東京モーターショーで披露
ヴェラールに対する驚きの大きさは、事前にいっさいの情報が伏せられていたこととも関係する。なぜなら、1、2点の思わせぶり(失礼!)な画像が公開されただけだったからだ。わたしがまずクルマの全体像を見たのは、デザインミュージアムでの公開に先立つ午後のプレス向け説明会だった。
ヴェラールのエクステリアは独自の表面処理でなめらかに、グリルもヘッドランプもひとつの面できれいに収まっている。まるで卵のような美しい自然の有機物を思わせる。「新しいタイプの顧客に向けた新しいタイプのレンジローバー」。これはジェリー・マクガバン氏の言葉だ。
プロファイル(側面)を見るとクーペ的ともいえるルーフのラインが美しい。5メートルを切るボディサイズで、ルーフを支えるピラーはすべてブラックアウト。車体の低さを強調するルーフが、ボディの豊かなカーブとシンプルなラインを際立たせる。加えて完全にドアのカーブと面一になるドアハンドルを採用する凝りかたもハンパでない。
そしてもうひとつ。ヴェラールはインテリアも魅力的だ。さきにデザインコンセプトとして「リダクショニズム」を紹介したように、ダッシュボードも高級オーディオアンプのようなシンプルな美をみせる。
エボニー(黒檀)のような表面処理を施した薄手のパネルをセンターダッシュボードに使用し、配置するのは大2つ、小1つの円形ダイヤルのみ。触れると10インチのモニタースクリーンが作動し、車両セッティングや空調やインフォテインメントシステムなどをタッチコントロールできる。
日本では東京モーターショーでお披露目か
キャビンの仕上がりの良さは歴代レンジローバーの大きな魅力だが、新型ヴェラールにも同じことが言える。ただしこのクルマでしか手に入らない世界をきちんと持っているのには感心する。
代表的なものは凝ったファブリック素材の使用だ。ウールを30パーセント使用したというシートカバーの素材は、高級織物で知られるクヴァドラ社との共同開発。
「レザーと同等の価値を持つファブリックをはじめて作るのに成功しました」。内装のチーフデザイナーを務めるエイミー・フラシェラ氏も記者発表会に出席し、誇らしげに教えてくれた。
欧州での発売は2017年後半。日本ではまず10月の東京モーターショーがお披露目の場になるだろうか。まずはフル装備の限定モデル「ファーストエディション」とV6モデルが先に導入され、続いて4気筒モデルとなるようだ。
日本での価格は699万円からはじまり、上級車種は1000万円を超える。まったく新しいSUVとして人気を呼びそうだ。
(文:小川フミオ)
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