P&Gが仕掛ける「ジレット」の新たな戦略とは 「ジレット史上最高の肌へのやさしさ」はなぜ生まれた?
今年2月、都内にて『ジレット プロシールド』の消費者参加型キャンペーン「ジレット チャレンジ」の発表記念イベントが開催された。「ジレットの剃り心地は、本当に肌にやさしいのか?」をテーマに、スピードワゴンの井戸田潤さん、小沢一敬さん、そして大島麻衣さんが「ジレット史上最高に肌に優しい」と言われるシェービングのデモンストレーションを試みた。
普段は電動シェーバー派という井戸田さん。『ジレット プロシールド』の「ジレット史上最高の肌へのやさしさ」を実証するため、大島さんに促された途端「当てた瞬間に肌に吸い付いてくる感じがします」と一言。「普段は電動シェーバーを使っていますが、別物です。ジェルスムーサーが特によかった。やさしさを実感しています。毎日使いたいですね」と絶賛した。
今回、同イベントでプレゼンを行ったP&Gマーケティング本部シェーブケア部門のブランドマネジャーであるチャンリーユン ステファニー氏は次のように語る。
「日本の男性はグルーミングやスキンケアなどへの興味が増してきており、プレミアム製品が求められる傾向にあります。いわば、男性自身が美容分野の開拓を牽引していると言えるでしょう。そのため、カミソリに対しても、これまでのように深剃りだけでなく、肌にやさしいといった要素にも目を向けるようになってきています。ジレットは、消費者意見を最も大切にしています。今後も、独自のマーケティング力や技術開発力を生かしながら、時代に合わせた男性のニーズに応える製品を提供して続けていきたいと考えています」
国内外のシェービングを牽引するジレット
ジレットといえば、国内外のシェービングを牽引し、8億人以上の男性に愛用されている世界的ブランドの一つだ。事実、米フォーブス誌の「世界で最も高価値なブランド」ランキングでも著名な外資系ブランドと並び、つねに上位30位内にランクインされる。
「ジレットは創業以来、110年以上にわたり男性用化粧品の中心的な存在として、つねに最先端のイノベーションを重ねてきました。その精密なテクノロジーと比類なき性能により、ジレットのスローガンである“最高を、男の手に。”を実践し、多くのユーザーから支持を得てきたのです」(ステファニー氏)
現在、日本のカミソリ市場は拡大傾向にある。カテゴリー全体(男性用替刃、女性用替刃、ディスポ、シェービング剤)で見ても、市場規模は拡大しており、より多くのユーザーが高品質な製品に移行していることが大きな特徴だ。
ジレットのシェアも好調な成長を続けており、16年7月に「ジレット史上最高の肌へのやさしさ」として発売された『ジレット プロシールド』も、多くのユーザーから好評を得て堅調に売上を伸ばしているという。日本国内の金額ベースで見ても、ジレットの販売を始めて以来、過去最高のシェアを記録している。
深剃りと肌へのやさしさを両立
では、なぜ『ジレット プロシールド』はそれだけの支持を得ているのだろうか。Gillette Leading Innovation Centerの調べによれば、実は男性は1回のヒゲ剃りで平均170回もストロークしており、無意識のうちに同じところを何度も剃っているという。しかも最初の約50回はシェービング剤がある状態で剃っているが、残り120回はシェービング剤がすでになくなった状態で剃っており、これが肌を傷つける理由の一つになっていたという。