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「人間とロボットのいい関係」のつくり方 リクルートテクノロジーズがロボティクスを活用した実証検証を実施

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伊豆原 まさに、ストーリーだと感じました。ロボットによる接客を受けたお客様のうち、ジュエリーパンフレットの試読率が7割、配布率が200%になり、大きな成果が得られたと感じています。ビジネスに活用できる確かな可能性を感じました。

ほかの事業部門でもロボットの活用が期待できる

稲川 今回の実験の特色の一つは、対話感を生むシナリオ開発にあります。また、細かいことですが、1体のロボットが会話しているときには、ほかの2体がその方向を見たり、お客様の答えを待っているときには、3体でお客様の顔を見るといったしぐさも、お客様を巻き込み、心理変化・行動変化を促すことにつながったと考えています。

伊豆原 当社は自然言語処理などの技術に強みがありますが、そのようなロボットを操作する基盤はありません。また、今回のような、コミュニケーションを生み出すコンテンツ制作などについても大いに得るものがありました。リクルートグループには人材採用・育成、住宅、自動車、旅行などにかかわるさまざまな事業があります。今後、ほかの事業でもロボットが活用できるのではないかと感じています。ロボットを交えて、ご夫婦で理想的なキッチンについて意見を言い合うといったこともできそうです。

稲川 確かに、住宅や自動車など、比較的高額なものでは、ご夫婦やご家族の対話を生むきっかけとしてロボット活用は有効だと考えられます。

ロボットにより人間にしかできない領域が際立っていく

NTTデータ
ITサービス・ペイメント事業本部
放送・情報サービス事業部
情報ビジネス統括部
課長代理

小川 貴之

小川 今回の実験では、お客様の顔の表情データから笑顔や驚きなどのリアクションも確認しました。リクルートテクノロジーズでは脳波との連携を利用したサービス創出なども検討されていますね。将来的にはさらに進んだ共同研究もできそうです。

伊豆原 ぜひ、やりたいですね。ただし、私たちもロボットが万能で、完全に人に置き換わるとは考えていません。パソコンが生まれて「人が要らなくなる」と言われたことがありましたが、実際にはそうならず、むしろ、人間にしかできない領域が際立ってきたように思います。ロボットという枠組みにとどまらず、人間がどう考え、それをどう汲み取ると人を動かせるのか、といったところに興味があります。もちろん、それを当社だけでやっていくことはできません。ぜひそういったところにノウハウと知見のあるNTTデータにお手伝いをいただきながら、そういった部分を探究し、広くビジネスの世界に広がり、世の中を豊かにできればと考えています。

稲川 人間が何をやり、ロボットが何をやるか考えるためには、業務の本質とは何かを確認することが大切です。今回の実験でも、業務の本質を理解し、人間ならではの強みとロボットならではの強みを活かした立てつけを模索しました。その点で、さまざまなフィールドで数多くのお客様と接しているリクルートグループのお力をお借りしたいと願っています。

小川 リクルートグループのコーポレートメッセージの一つは「まだ、ここにない、出会い。」だと伺っています。VUCAな時代であればこそ、新技術をトリガーとしたイノベーションにチャレンジし続け、リクルートグループとともに「まだ、ここにない」新たなマーケットの創出に取り組んでいきたく思います。本日はありがとうございました。

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