東京都

ボランティアの輪を広げる「組織の力」 東京都共助社会づくりを進めるための
社会貢献大賞受賞4団体の担当者に聞く

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東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会開催まであと3年。東京都では、行政・民間団体などの多様な主体が集まって、「東京都ボランティア活動推進協議会」を設置し、東京2020大会の成功はもとより、都民が互いに支え合う共助社会を実現することを目的に、ボランティアの裾野の拡大を進めている。
その一環として、ボランティア活動に関する継続的な取り組みや先進的な取り組みを行っている企業や団体を表彰し、気運の盛り上げに役立てるため、新たに「東京都共助社会づくりを進めるための社会貢献大賞」を設立した。第1回目となる今年度は、4団体が大賞を受賞。各企業、団体の担当者に活動の詳細や成果について語ってもらった。

社員が参加しやすい
平日の昼休みに活動を設定

都内で約1万人の社員等がボランティアに参加している日本電気(以下、NEC)。都内各地で地域の課題解決につながる活動を実施してきたことを評価されての受賞となった。

日本電気株式会社
コーポレートコミュニケーション部 CSR・社会貢献室
マネージャー
池田俊一

NECグループでは、1999年に創立100周年を迎えたのを機に「NEC Make-a-Difference Drive」(MDD)と称する全世界のNEC社員が参加する地域社会貢献活動を開始。コーポレートコミュニケーション部CSR・社会貢献室マネージャーの池田俊一さんは、「ガイドラインの作成や推進役を各拠点に設置するなどの体制を整え、全世界で3万人以上の社員が取り組んでいます」と説明する。

活動を行う中で実感したのが、都心での活動の難しさだ。地方に比べて都心では職住が接近していないため、本社がある港区芝公園でのボランティア活動を休日に設定しても、気軽に参加する社員は少なかったという。

「そこで、2011年から開始した芝公園での生物多様性保全活動では、活動を平日の昼休みに設定したところ、多くの社員が参加できるようになりました。また、東京都障害者スポーツ協会等と協同し、障害者スポーツ大会でのフィールドボランティアなどにも積極的に取り組んでいます」(池田さん)

最近では、これらの取り組みについて見学やヒアリングに来たり、その後同じような活動を始める企業が増えていることから、社会への波及効果を実感しているという。

「社員からも『社内のコミュニケーションが活性化した』『地域社会への感度が高くなった』といった声が聞かれ、一人ひとりの意識が変わってきていると感じます。2020年にむけてグループ全体でのMDD参加者10万人を目標に、ますますの気運醸成を図っていく予定です」(池田さん)

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