ボランティアの輪を広げる「組織の力」
東京都共助社会づくりを進めるための
社会貢献大賞受賞4団体の担当者に聞く
社員が参加しやすい
平日の昼休みに活動を設定
都内で約1万人の社員等がボランティアに参加している日本電気(以下、NEC)。都内各地で地域の課題解決につながる活動を実施してきたことを評価されての受賞となった。
NECグループでは、1999年に創立100周年を迎えたのを機に「NEC Make-a-Difference Drive」(MDD)と称する全世界のNEC社員が参加する地域社会貢献活動を開始。コーポレートコミュニケーション部CSR・社会貢献室マネージャーの池田俊一さんは、「ガイドラインの作成や推進役を各拠点に設置するなどの体制を整え、全世界で3万人以上の社員が取り組んでいます」と説明する。
活動を行う中で実感したのが、都心での活動の難しさだ。地方に比べて都心では職住が接近していないため、本社がある港区芝公園でのボランティア活動を休日に設定しても、気軽に参加する社員は少なかったという。
「そこで、2011年から開始した芝公園での生物多様性保全活動では、活動を平日の昼休みに設定したところ、多くの社員が参加できるようになりました。また、東京都障害者スポーツ協会等と協同し、障害者スポーツ大会でのフィールドボランティアなどにも積極的に取り組んでいます」(池田さん)
最近では、これらの取り組みについて見学やヒアリングに来たり、その後同じような活動を始める企業が増えていることから、社会への波及効果を実感しているという。
「社員からも『社内のコミュニケーションが活性化した』『地域社会への感度が高くなった』といった声が聞かれ、一人ひとりの意識が変わってきていると感じます。2020年にむけてグループ全体でのMDD参加者10万人を目標に、ますますの気運醸成を図っていく予定です」(池田さん)