インテリジェンス

TK流目標達成術
~ひとつのことに集中していたら、
きっと僕はダメになっていた~

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――小室さんが新しい仕事をする際に、大事にしていることは何ですか。

小室 自分は思い切りのいい人間ではないし、怖がりなんです(笑)。だからこそ、新しい仕事に挑戦する前は、必ず“小さなマーケティング”をするようにしています。たとえば、新しいスタイルの音楽をやるときは、100人くらいのファンを集めて、アンケートをとって、いいかどうか評価を見ながら試みていました。また、47都道府県の1県だけに集中的にプロモーションをかけて、リサーチをしてみたりもしました。

僕はもともと学生時代から心理学や統計学に興味がありました。何万人という人にリサーチをかけなくても、一カ所で集中的にマーケティングする方法は、学生のころの勉強が役立っています。そうやって、必ずマーケティングをしてみるんです。

3月1日には、約3年ぶりの小室哲哉ソロアルバムの新シリーズ第1弾を発売する。近年のソロワークを中心に、神田沙也加(TRUSTRICK)やtofubeats、May J.、つんく♂、ヒャダイン、大森靖子など多岐にわたるジャンルやアーティストとのコラボ楽曲やフィーチャリング曲やライブ音源を収録している

一つの成功だけで生きていけない時代は
うまくいきそうなことをまず試す

――小室さんのように、二つの職種を持って目標を実現するために、今の若いビジネスパーソンはどうすればいいのですか。

小室 皆さんはすでに仕事以外に、趣味や社会活動などいろんなことをしているはずです。しかも今は、自分の本職以外のもので、あわよくば、ご飯を食べていけたらと考えている若者は多いんじゃないでしょうか。今はネットやSNSなど使える武器はたくさんあるし、知らない人同士が仲間として簡単につながることができます。さっきもユーチューバーの人たちと仕事をしてたんですよ。

そういう本職以外のことでもしうまくいっていることがあれば、新しいビジネスにつながるかもしれない。思い切りのいい人はイケると思えば、そちらにシフトしたほうがいい。そんな時代だと思います。もし今の会社を退職して別の会社に移るときも、一方をゼロにしてから移るという時代ではないかもしれません。リスクを減らすという意味もありますが、今は昔と違って、二つ以上のことをやっているほうが、周りも面白がってくれる時代になっています。

――新しい一歩を踏み出したい人にメッセージをお願いします。

小室 とにかくうまくいきそうなことがあれば、まず試してみることです。目標を実現するために二股、三股でもいいんです。さらに言えば、目標だって一方向でなければならないということはないはずです。二択でも三択でもいい。そこから、自分が本当にやりたいことは何だったのかを改めて“感じればいい”んです。そのとき初めて自分にとっての本当のゴールが見つかるのではないでしょうか。

僕も人生でピンチに陥ったときに、救ってくれたのは作曲家としての自分でした。もしバンドだけならばダメになっていたかもしれません。職種を二つ、三つ持っていたからこそ、生き残ることができた。人生には必ず波があります。浮き沈みもある。頼っていた一本が折れちゃったらどうするのってことなんです。

誰もが自分の中にあるタレントを見出すべきで、そして、それは一つなわけがない。一つ見つけたらもう一つ見つける、そして形にしていく。そうすることで、自分の目標、ゴールに近づいていくと思います。

(この続きは「DODA転職フェア」で)

 

 

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