「3年後離職率」を徹底解剖! 「3年で3割」が目安、代替指標は採用数と従業員数
たとえば、会社の採用数が従業員数の1割から2割ならかなり多いほうです。とはいえ、従業員数を上回る新卒採用をする会社もありますから、まだましなほうかもしれません。事業がどんどん拡大している場合にも採用数が増えることには注意が必要ですが、従業員数に対して採用数が多すぎないか、必ず確認してください。
水準は業種で大きく異なる
さて、下の表は、2013年入社者が10名以上の会社を対象に、業種分類別に離職率を集計したものです。業務分類とは、ここでは業種の大きな括りと考えてください。「離職率3割」の目安は、業種によってかなりの差があることがわかります。一般的に高いとされている業種は、外食、車のディーリング、ドラッグストア、学習塾、家電量販店、ソフトウェア開発など。離職率が高い会社は、概して若手でも店長やリーダーとして重責を担い、成果報酬型の賃金体系を採る会社が多いことが特色です。
ベンチャーと老舗では、どうしてもベンチャーは高くなります。立ち上げ直後はなりふり構わず働かなければ、会社は簡単には発展しません。若手でも重責を担うのは上に挙げた業種と同じです。成果を出し切れず辞める人もいるなかで、成果を出して、早期のステップアップとして離職に踏み切る人もいます。
奥の深い3年後離職率ですが、皆さんも自分自身で、その会社の数字が「なぜそうなるのか」と探求してみてください。その会社が業界内で群を抜いて高いのならば、その会社に何か原因があるはずです。業界全体で高めならば、業界に共通する要因があるわけです。
広報解禁を前に、「どうやって企業研究をすればよいのかわからない」という声にお答えすると、とにかく自分で疑問をもって、その疑問を自分で解決していくことです。『就職四季報』や『業界地図』の各種のデータなど、材料は豊富にあります。今のうちに使い方を学んでおきましょう。