サブスクリプション・エコノミー時代の始まり
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【オープニング】
Zuora Japanの桑野順一郎社長は、契約期間中に請求・回収を繰り返し、1契約で何度も売り上げがあるサブスクリプション型の特徴を説明。音楽・動画配信サービスのほか、車や飛行機、ファッション等の分野の事例を示した。IoTビジネスの収益化はサブスクリプションが中心になるとし「多くの企業がここ数年以内にシフトする必要がある」と述べた。
【基調講演】
サブスクリプション・エコノミーへの変革の必要性と
成功のための要件
Zuoraのティエン・ツォCEOは「私たちは世界の変化を実感しています」と語り始めた。過去100年のビジネスを支配した大量生産型モデルは、21世紀のデジタル化の波を受け、大きく変わりつつある。2000年のフォーチュン500企業の半数がこれまでに姿を消し、残った企業の中では、製品自体より、機能をサービスとして売るビジネスへ転換したことに伴い、売り方も製品販売型からサブスクリプション型に移行しているケースが見られる。消費者も製品を所有するより、自分のニーズに合った利用を求めている。ツォCEOは「成功している会社の共通点はモノを売る会社ではないこと」と述べ、収益向上には、EC企業のように会員IDを持った顧客との1対1の関係強化することが重要になることを指摘した。
サブスクリプション・エコノミーはモノ作りのあり方も変える可能性がある。すでに顧客になっているサブスクライバーを満足させるには、最良と思われる製品を作り続けるより、顧客の意見を聞きながら継続的に改善することの方が重要になるからだ。ツォCEOは「顧客を中心に、いつでも、どこでも、どのチャネルでも一貫性のある顧客体験を提供できるシステムを構築する必要があります」と強調。Zuoraのシステムを活用すると、サブスクリプションビジネスに合ったビジネスモデルへの変革が容易になると訴えた。
CRMシステムのクラウドサービスをサブスクリプションモデルで提供し、世界的ソフトウエア企業へ飛躍的な成長を遂げてきたセールスフォース・ドットコムで経営幹部を務めてきた宇陀栄次氏は、利用者にとっては初期費用を抑えられ、提供側も定額課金の安定的な収入で継続的に研究開発ができることを同モデルのメリットに挙げた。物販型からサブスクリプション型への転換は、一時的に売り上げが下がるといったリスクがあるものの「継続的成長を見込めるようになることで、株式時価総額の上昇に貢献できるでしょう」と指摘。「世の中が変化する時は、変化するリスクとしないリスクのどちらが高いか、を考えねばなりません」と、サブスクリプションビジネスへの挑戦を促した。
【事例講演】
国内企業のIoT、ハイテク、クラウド分野における
変革の取り組み
東芝の中村公弘氏は、製造業から『モノ+こと』の企業へ転換を目指す東芝グループのサービス事業化を支える共通ビジネス基盤にZuoraを活用した事例を紹介した。顧客に対し柔軟な料金設定や割引を行ったり、ビジネスに応じて多様な課金をできるようにするためZuoraを採用。IoTシステムや、クラウド型AIサービスを定額制や従量制などの料金体系で顧客企業に提供し、ズオラを使って課金処理する。Zuora導入決定から3カ月でサービス開始にこぎ着けた中村氏は「導入期間の短さも魅力」と述べた。