ソフトバンク、「10兆円ファンド」設立の驚愕 巨額オイルマネーがIT企業育成に流れ込む
孫正義社長は「SVF設立により、世界中のテクノロジー企業への出資をさらに推し進めることができる。SVFは今後10年で、テクノロジー分野で最大級のプレイヤーになる。出資先となるテクノロジー企業の発展に寄与することで、情報革命をさらに加速させていく」と語る。(孫社長は創業以来、「情報革命で人々を幸せにする」という経営理念を掲げている)。
ソフトバンクとサウジのファンドや企業が組むのはこれが初めて(中東全体ではイスラエル企業への出資があり、これが初めてではない)。サウジ副皇太子でPIFチェアマンのムハンマド・ビン・サルマンは「長い歴史とテクノロジー業界での人脈を持ち、高い投資実績のある孫社長のソフトバンクと覚書を交わしたことをうれしく思う」と孫社長を持ち上げている。
アローラ氏は唯一無二の人材?
興味深いのは、本件を主導したのが、2014年から海外におけるソフトバンクの財務戦略を率いてきたインド人のラジーブ・ミスラ氏であることだろう。
ミスラ氏は、ドイツ銀行や投資会社での勤務経験を持ち、今年6月に電撃退任したニケシュ・アローラ副社長の片腕として、海外投資を牽引してきた。
孫社長は以前、後継者候補の筆頭としてきたアローラ氏について「これほどの人物はいない」とベタ褒めしていたが、ミスラ氏はアローラ氏よりも、はるかに大きな案件を手掛けることになる。
アローラ氏には2年弱で245億円という超高額年俸が支払われたほか、68億円の退職金まで支払われることになっている。一方で、ソフトバンクの有価証券報告書を見る限り、1億円以上の高額報酬リストにミスラ氏の名前はない。
これほどの大型案件をまとめたのだから、今後、ミスラ氏にはかつてのアローラ氏に匹敵する超高額の報酬が与えられても不思議ではない。そうでなければ、アローラ氏への報酬が異常に高かったことを、ソフトバンクは自ら認めることになりかねない。
ソフトバンクグループの株価・業績 は「四季報オンライン」で
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら