なぜ企業は「沖縄」に拠点を置くべきなのか 製造・物流ビジネスに変革が生まれる

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国内唯一の税制支援制度
明確なビジョンで可能性は無限大

それが、特区内での国税の支援制度。沖縄県には日本で唯一の国際物流特区がある。条件を満たす企業について新設後10年間、法人課税所得の40%が控除される「所得控除制度」、機械や装置、建物、設備などに投資した場合、一定割合が法人税額から控除される「投資税額控除」、同様に機械などに投資した場合に認められる「特別償却」という、3つのうち1つを選択できる珍しい制度だ。

さらに支援制度は多岐にわたる。特区内(うるま地区)で製造した製品について、県外や海外からの資材調達や県外出荷にかかる輸送費の補助金。県の条例に基づく、工場や倉庫などを建設するための経費などや初期投資軽減のための補助金。ナノシステムソリューションズも入居している特区内の工場のリーズナブルな賃貸(今後も増設予定)。設置した事業所で35歳未満の人を3人以上雇い入れるなどの条件を満たすと支援される沖縄若年者雇用促進奨励金などもある。

アフターフォローも繊細である。県の海外事務所が北京や上海、香港、台湾、シンガポールにあり、現地市場の情報を提供。県が海外の企業連携機関との橋渡しを行って現地のパートナーを紹介してくれたり、海外での展示会における渡航費などの支援や、広告などのプロモーションのサポートもしてくれたりなど多彩だ。2015年11月は世界各国のバイヤーと日本全国の食品サプライヤーが沖縄に集結する商談会「沖縄大交易会」を実施するなど、ビジネスマッチングの機会を豊富に設けている。

そして2020年3月末には那覇空港第2滑走路が完成予定。これにより約1.4倍、便数が増えると予測されている。「ネットワークを整備して物流などの拠点を形成し、沖縄が日本とアジアをつなぐ架け橋になる」、という姿は、2009年に県民からのアンケートを基に県として初めて策定した長期構想「沖縄21世紀ビジョン」にも明確に描かれている将来像だ。

沖縄はこれから企業とともに成長していく自治体であり、アジア、ひいては世界にとっても魅力的な場所になるはずだ。