「日本市場を揺るがす外国人投資家の行く末」リチャード・カッツ

今、日本の株式市場に何が起こっているかを知りたければ、外国人投資家の動向を注視すればよい。彼らが日本株を売っていれば、株価が下落している証拠であり、仮に買っていれば、市場が安定しているか、株価が上昇している証拠である。今年1月から9月まで、外国人投資家は日本株を買いあさり、8月から9月下旬にかけては、逆に日本市場から大挙して逃げ出した。9月末から10月初めにかけては、再び上半期と同じペースで日本株を買い増している。では彼らの今後の動向は、どうなるのだろうか。

 そもそも外国人投資家が日本市場をリードしている理由は、彼らの取引が出来高の3分の2を占めるほど膨大な量だからである。実際に2003年以降は、外国人買いが株価上昇の主因となっている。彼らは06年中に日本株を5・6兆円買い、日本人投資家の売却分を相殺した。07年上半期には、さらに6・2兆円を買い増している。仮に外国人投資家が日本株を買わなければ、日本人投資家が売却した6兆円の株式が原因となり、株価は暴落しただろう。日本株の外国人持ち株比率はこうして03年3月の18%から、07年3月には28%まで上昇したのである。

 こうした状況からいえるのは、外国人投資家が仮に日本株の売買を中断すれば、日本市場は間違いなく混乱に陥るということだ。しかも、その予兆は見られる。モルガン・スタンレー証券のチーフ・エコノミスト佐藤健裕氏は、マクロ経済レポートの中で、「日本株に関するコンファレンスに出席するためニューヨークに出向いたが、アメリカ人投資家の日本経済と日本株に対する期待は、悲しいほど低いものだった」と記述している。

 メリルリンチ証券が9月に行った調査によれば、世界のポートフォリオに占める日本株のウエートを「下げたい」と言っている機関投資家は、「高めたい」と言っている投資家より若干だが多いという。売り基調が買い基調を上回ったのは、03年に現在の上げ相場が始まって以来、初めてのことである。

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