新生インベストメント&ファイナンス

事業承継に新たな一手を
~優良企業から赤字企業まで~

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中堅中小企業では、後継者不足に加え、経営者の右腕になるような人材の不足も課題になっている。大久保氏によれば、同社の出資を仰いで外部の知見やアドバイスを受け入れることで会社をよくしたい、というオーナー経営者が増えているという。管理や資金調達などを任せることで、経営者は売上を伸ばすことなどに集中できる。顧客の多様なニーズに応える、新生IFの一歩踏み込んだ支援が、それを実現するわけだ。

「明るい廃業」を実現する
高度なノウハウと幅広いサポート

中堅中小企業の事業承継が大きな課題になっている中で、新たな一手が注目を集め始めている。たとえば好調な企業であれば、支援協力の申し出も多いだろうが、赤字企業などの場合、手を挙げるプレイヤーは少ない。新生IF専務取締役の舛井正俊氏は「毎年赤字が続いているとしても、オーナー経営者にとっては、家族や従業員、取引先を前にして、なかなか事業をやめたいと言えないものです」と話す。

専務取締役
舛井 正俊

ずるずると事業を継続すれば資産が劣化し、ついには債務超過で倒産ということになりかねない(図1)

「それを防ぐために、当社では『明るい廃業』を提案しています。廃業という決断を行うことにより、オーナー経営者として手元にお金を残すことができることに加え、従業員や取引先への影響も軽減することができるのです」と舛井氏は語る。

具体的なスキームは個々の企業によってさまざまだが、たとえば、新生IFが出資するファンドが、対象となる中堅中小企業の株式を購入することもあるという(図2)。このほか廃業を行う過程で必要となる退職金などの支払資金を融資する場合もある。一般のファンドや銀行では、営業赤字や債務超過の企業にこれらの支援を行うことはほとんど例がないだろう。

特筆すべきは、新生IFは単に投融資を行うだけでなく、取引先との対応、従業員の再就職や退職金の上乗せなどまでを見越した計画を立案し、その実行を支援してくれることだ。

オーナー経営者にとって、わが子のように育ててきた事業を廃業する思いはいかばかりかと思われるが、一方で、同社の支援により無事に廃業することができ、「ようやく肩の荷が下りた」と語る経営者も少なくないという。赤字の企業を経営するプレッシャーから解放された本音であろう。自社株を売却して引退し悠々自適の生活を送る経営者もいれば、新たな企業を興し再チャレンジする経営者もいるという。大げさでなく「明るい廃業」が日本を元気にする可能性もありそうだ。

舛井氏は「『転廃業支援』を前面に打ち出してから間もないのですが、すでに複数の企業の買収が実現し、引き続き引き合いが増えています。当社は2000年から行っている不良債権投資において6000社以上の中堅中小企業と向き合って、債務整理の支援、債務超過先への融資などをオーダーメイドで行い、時に廃業のお手伝いもしてきました。新たな取組である資産超過での転廃業支援についても、さまざまな専門家と協働することで経験とノウハウを蓄積しています。オーナー経営者にとって、転廃業などについてどこに話をすればいいかわからない方が大半だと思います。ぜひ一度、ご相談いただきたいと願っています」と語る。

その言葉どおり、自社の将来さらには自分自身や家族の将来について悩むオーナー経営者にとって、新生IFは大いに頼りになる存在になりそうだ。

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