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本と書店、電子もリアルも“面白い” 【第4回目】勝負はコンテンツ、本は「シーン」で使い分けよ

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――リアル書店と電子書籍販売サイトでポイントを共通化するといったところもあります。リアルとネットを連携させた新たなビジネスモデルを創出することは可能でしょうか。

いろいろなことが考えられると思います。たとえば、特定のリアル書店で購入した紙の本には、おまけのコンテンツが無料でダウンロードできるといったこともできるでしょう。

Wi-Fiを使って、店内でダウンロードして購入した電子書籍については割引をするといったことも可能になります。

紙か電子か、リアルかネットかという議論は不毛で、要するに、コンテンツをどういう形で提供すれば、読者に一番喜んでもらえるか考えればいいわけですよ。紙の本を購入した人には、同じ本の電子書籍版が丸ごと1冊付いてくるというのでもいいんじゃないかな。

――出版社にとって、電子書籍はどのような可能性を秘めているでしょうか。特に、中小出版社のビジネスチャンスについてはどうでしょうか。

何度も言っているように、電子書籍だから売れるというわけではありません。いいコンテンツであれば、紙であろうが電子書籍であろうが売れるのです。

ただし、前の回でもお話ししたように、電子書籍ならではの売り方という点では、得意不得意の差が出てくるかもしれません。僕が見ている限りでは、意外にも老舗の出版社が面白い取り組みをしようとしている。新興の出版社のほうが保守的ですね。

電子書籍市場が拡大するために、ネックになっているのがコストです。いまはまだ、1冊の本を電子化するのに数十万円のコストがかかる。これが10万円以内に抑えられるようになれば、勢いがさらに増すでしょう。

いずれにしても、市場を大きくするかどうかは読者が決めることですから。

僕はただ、面白い本をもっともっと読みたい。それだけです(笑)。