セミナーレポート

売上、収益、業績の拡大が進まない本当の理由

拡大
縮小

営業×イノベーション
組織を伸ばすのはマネージャーの腕次第!
営業組織を強くするマネージャーの
『マネジメント』事例

セールスフォース・ドットコム
コマーシャル営業
第2営業部部長
寺本 裕一

セールスフォースの寺本裕一氏は、自身が同社で実践しているマネジメント手法を紹介した。組織マネジメントは、①計画・指示をするプランニング②進捗状況を追うマネジメント③部員のスキルを上げるコーチング④チームのモチベーションを高めるリーダーシップ――の四つの要素に分類できる。まず、人を動かすには、ただ頑張らせるのではなく、計画目標を達成するためにとるべき行動を具体的に指示するとともに、日々、進捗をフォローすることが重要と強調。部下のやる気を引き出すには、情報の見える化だけでなく、数字にメッセージを込めて示す「見せる化」という考え方を示した。また、一人の突出した営業担当者より「平均的な人材を多く育てる方が組織は伸びる」と指摘。「階段を一段ずつ上っていけるように、現状の進捗ステージを確認し、次のステージはどこで、そこに上がるためにどんな行動をすべきか、を問いかける」というシンプルな指示に徹すべき、とした。チームの雰囲気づくりは、みんなよりも、個人を褒めるメッセージを出す方が効果的と述べた。最後に、リーダーシップで部下の意識を変えて行動につなげる→さらにコーチングで行動を強化して結果を出す→好結果を受け、より高い目標の計画を立てて進捗を管理して部下の意識を引き上げる「意識→行動→結果の好循環を作る大切さ」を訴えた。

経営×イノベーション
イノベーションのワナ

イノベーション研究所
代表取締役社長
西岡 郁夫

現在、企業のミドルを対象に戦力アップのための自己変革を促す「西岡塾」を主宰している西岡郁夫氏が、企業の競争力の源泉となるイノベーションを実現するための処方箋を語った。まず、「イノベーションは発明と違う。変革をして経済効果を上げること。儲かってこそのイノベーション。技術革新は一つの要素にすぎない。顧客が求めない高度な技術に走るのは悪」と多くの実例を提示して解き明かした。また、「ベテランや同質性の高い組織からはイノベーションが起こりにくい」「破壊的イノベーションは混沌の中から新参者が起こしていく」という前提に基づき、江戸時代に「店前現銀掛け値なし」「仕立て売り」「端切れ売り」というビジネスモデル・イノベーションを起こした呉服屋の成功例や「ファッションの後出しジャンケン」で売上高2・4兆円、利益率20%を上げるファストファッションの戦略を詳述して、参加者の中堅企業のマネジメント層に向け、イノベーションを起こすために「戦略を持って海に飛び込むファーストペンギンが居て、その後、すぐに第2、第3のペンギンが続くような組織風土になっていますか」と問いかけた。また、トップが活用するべき「組織に必須の個人のタイプ」に関しても「有言実行タイプ」はできることだけを提案しているに過ぎないとし、できないかもしれない困難なことでも、会社としてやるべきことであれば「やろう」と提言する「有言不実行」の姿勢を求めた。