BSフジ旗艦番組、「放送枠拡大」の舞台裏 仕掛け人は、地上波のヒットメーカー
「プライムニュースはBSフジの看板番組で、私たちにとって名刺代わりとなる放送局の『顔』のような存在です。反町キャスターの鋭い切り口や出演者の発言を遮ることなくありのまま放送するスタイルによって、視聴者と出演者の双方から信頼感を集めてきました。しかしどうしても平日夜8時からの放送では視聴できる方が限られてくる。特に働き盛りのビジネスパーソンからは『番組を見たくても仕事で見ることができない』という声が数多く寄せられていました。そこで平日に放送したものを新たに編集したコーナーの他に、放送終了後の未放送の新たな情報も入れて、土曜日の夜に改めて放送することで、より多くの方に番組を楽しんで頂けるようにしたいと思っています」。
イメージしたのはかつてフジテレビで放送されていた「笑っていいとも!増刊号」。同番組では平日お昼に放送された番組を再編集し、そこへ新たに未公開シーンもプラスオンすることで学生や社会人など通常放送を視聴できない層からも人気を博した。そこでプライムニュース SUPERでも同様に、単なる「総集編」にとどまらず、生放送の時間内だけでは伝えきれなかった出演者の声なども新たにオンすることで、これまでリーチできなかった層だけでなく日頃からプライムニュースを視聴している人でも楽しめるような構成にした。
また、平日に放送されたものを再編集して構成されるため、ある事象について時系列で追うことができるのもプライムニュース SUPERの魅力だ。「政治家の発言が日を追うごとに変化していくのも、プライムニュース SUPERを見れば一目で確認することができます」(荒井氏)。またその週に起こった出来事を手軽に振り返るという意味でもプライムニュース SUPERは最適。同番組を見れば翌週のビジネスシーンで上司や役員、得意先などとの会話で話題に困ることはないだろう。
オリジナリティにこだわり
視聴者のニーズに応える番組作りを続けていく
さらに10月からはこれまで水曜日に放送していた「クイズ!脳ベルSHOW」を帯番組として放送枠を拡大することが決まった。高齢化社会が進行し10年後には認知症を患う人の数が700万人を超えると言われるなか、「予防医学のためのクイズ番組」とも形容され注目を集める同番組。番組の出演者は40代以上の世代が占め、出題される問題も一般のクイズ番組とは異なり「脳トレ」を基本としており、脳の疲れを感じ始める読者世代にぜひ勧めたい番組だ。
毎日「脳トレ」を行うことで、頭を活性化し元気になる。硬派なプライムニュースの後に右脳を刺激するクイズ番組を編成することで新たな視聴者も獲得、平日夜の視聴習慣のサイクルを醸成していくことが今回の放送枠拡大に至った背景にある。
今後もBSフジではこれまでにない領域で新たな番組を生み出していく。そこで番組作りの核となるのがオリジナリティだ。「脳ベルSHOWのようなクイズ番組はこれまでBS放送で存在しませんでした。こうした”オリジナリティ”を今後も大切にしていきたい。『BSフジならやってくれる』と視聴者の方たちから思って頂ける番組をお届けしていきたいと思います」(荒井氏)。
人気番組の放送枠拡大で勢いに乗るBSフジ。今後も同局から目が離せなそうだ。