電子書籍の正しい「読み方」、教えます 【第1回】専用端末がそろい踏み、「本好き」は増えるのか

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電子書籍市場に大きな動きが生まれそうだ。昨年から今年にかけて新たな電子書籍専用端末も各社から相次いでリリースされた。その可能性はどう考えられるのか。書評サイト「HONZ」を主宰する読書の達人であり、元マイクロソフト日本法人社長、インスパイア取締役ファウンダーの成毛眞氏に聞いた。
元マイクロソフト日本法人社長、インスパイア取締役ファウンダーの成毛眞氏

――国内の電子書籍市場においては、専用端末のラインナップも出そろった感があります。成毛さんはすでにいくつか所有されているとか。

根が新しモノ好きですから。こういう新しい製品を見て、遠巻きに見ているだけの人は、次世代のビジネスパーソンとしては向かない。市場の変化を「なんだかわからないけど、面白そう」と思う感性が大事です。

ただし、製品自体は、各社ともに一長一短があります。見やすさという点では、液晶ディスプレーよりも電子ペーパーのほうが読みやすいです。電子ペーパーは、米E-ink社の技術を使った製品が使いやすいですね。明るいところでも反射しないし、暗いところでもディスプレーが明るすぎない。僕の妻は、寝室で使っていますよ。軽いので、ベッドで横になってまま読んでも疲れないのがいい、と言っています。

――電子書籍専用端末の機能や使い勝手はどうですか。

結論から言えば、まだまだです。ただし、今後も満点になることはないでしょう。

と言うのは、僕のように、日常的に大量の本を読む人たちは、紙の本を読んでいるのと同様に、電子書籍専用端末を扱いたいわけです。見出しを拾って、気になるページだけを読んだり、パラパラとページを繰って斜め読みをしたりといったことは、電子書籍専用端末ではしづらい。

電子書籍専用端末はあくまでも本を読むためのツールにすぎません。その機能や使い勝手を比較検討するより、むしろ、その存在を意識しなくてもいいものであるべき。紙の本に近ければ近いほどいいんです。

ディスプレーに自分の顔が映ると興ざめです。紙の本に自分の顔なんて映らないでしょう? 額縁(ディスプレーの周囲のフレーム)もなくしてほしいね。

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