多彩な選択肢を駆使し「困り事」への最適解を 大和ハウス工業
「当面の目標は物流デベロッパーとして業界1位になることです。さらに、事業ポートフォリオとして安定感を増すために、もう一つの主力分野であるシルバー関連施設の開発にも力を入れています。医療・介護施設や有料老人ホームを運営するグループ企業もありますし、病院の建て替え需要なども積極的に掘り起こしています。たとえば、工事期間中の代替地が見つからない、あるいは資金計画が立たないなどの理由で、病院は老朽化していても建て替えられないといった課題に直面しているケースが少なくありません。
そこで、多様なソリューションを用意して課題解決をサポートしていくのです。さらに地域創生と直結した工業団地開発にも取り組んでいますし、ベトナムやインドネシア、タイなどアセアン地域でも工業団地建設や物流施設開発を進めています」
体力があるときにこそチャレンジしていくことが必要
そう話す浦川氏は最後に「Dタワーシリーズ」という新しい事業にも触れた。高層ビル事業で、すでに西新宿や豊洲などで開発を計画中だ。物流施設とシルバー関連施設を核に新規事業や海外事業も拡大し、事業施設事業は第5次中期経営計画の3カ年で売上高を24.6%伸ばす高い目標を掲げている。投資額も増やす計画だ。
今、事業施設事業は好調の波に乗っている。だが、世界経済は不確定要素が多いことも事実。浦川氏は「だからこそ体力があるときにさまざまな分野にチャレンジしていくことが必要。今、この時期に、将来に備えて築くことが大事なのです」と強調する。
「備えて築く」つねに先の先を見据えた姿勢こそ、事業施設事業が急成長する大きな要因の一つなのではないだろうか。