大和ハウス工業

発想力と行動力の掛け算で
多様化するニーズに対応
大和ハウス工業

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入居者目線で開発した商品の好例が防犯配慮型賃貸住宅だ。業界に先駆けてホームセキュリティシステムを標準装備したタイプは、発売して6年で20万世帯分を売る大ヒット商品になった。しかも今もなお人気商品の座を守っている。女性向けの賃貸住宅のタイプでは、1坪タイプの浴室やウォークインクローゼットなどを装備するなど、細かい配慮も人気を支えている。

「従来、賃貸住宅では収納スペースはあまり重視されていませんでした。しかし、あえて専有面積の10%を収納スペースに充当する設計を奨励しているのです。たとえば、最近はゴルフをする女性も増えていますから、キャディバッグも収納できるシューズインクローゼットを設けるなど、多様なニーズにきめ細かく対応することが重要だと考えています」

サービスアパートメントで
新たな需要の掘り起こしも

15年5月には、城下町や宿場町といった街並み規制の厳しい地区を対象とした2階建和風賃貸住宅商品「セジュールウィット 京和風」も発売

15年9月1日の防災の日には、緊急避難スペース付賃貸住宅「セジュール オッツW-ev」も発売した。鉄骨ラーメン構造のタワーで階段室をつくり、屋上には緊急避難スペースを備えている。また、都市災害における地域防災拠点としての役割も果たせるように医療品などをストックした賃貸マンション「ロイヤルパークスER」も提案している。「土地オーナー様やご入居者のニーズにとどまらず、社会的要請に応える」(堀氏)という視点も大事にしているのだ。

こうした戦略により18年度、賃貸住宅事業領域で売上高1兆円突破という目標を掲げている。マーケットの大きな伸びが期待できない中で、この目標をいかに達成していくのか。その問いに対し堀氏からは「難しいことではありません」という答えが返ってきた。

高級賃貸住宅商品「セジュールオッツαJT」もラインナップに加えている

「賃貸住宅マーケットで当社のシェアは現在、10%強しかありません。それを12%にすれば、それだけでも売り上げが2割近く伸びることになります。またマーケット全体の4割近くを占めるのは、在来工法による中高層の賃貸マンションです。この分野での当社シェアは2%未満。成長の余地はあるのです。さらに今後はインバウンド需要も視野に入れたサービスアパートメントの商品開発も強化していきます」。家具やキッチン用品などをあらかじめ装備し、部屋の掃除やベッドメイクといったサービスを提供するサービスアパートメントは、長期出張や社員の単身赴任などに利用したいという法人需要だけではなく、観光客の宿泊場所としてもニーズに対応できると期待している。「国内ではこの8月、札幌市内にオープンしました。このほか海外では、アセアン地域などでサービスアパートメントの展開を検討しています。この分野で獲得した知見やノウハウを今後は国内事業にも活用していく方針です」。

大和ハウス工業の賃貸住宅事業部門が売上高1兆円を達成する日は、意外に早くやってくるかもしれない。
 

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