紙-電子-ネットの融合で、書店はまだ進化する DNPグループが仕掛ける「honto」のホント
書店員のノウハウを生かし
好みの本をリコメンド
hontoビジネス本部チャネルソリューションユニット長の五味英隆氏は、「これまでのリアル書店では、店に来ていただいているお客様がどこにいるのかを知ることも、なかなか容易ではありませんでした。「honto」なら、会員になっていただくことで、直接的なアプローチが可能です」と説明する。
特定の期間に本や雑誌を購入するとポイントが多く貯められるキャンペーンなどもすでに実施している。購入金額が増えるごとに、さらにポイントが付与される仕組みも好評だ。消費者にとっては、「honto」グループ書店に足を運んで購入するインセンティブが発生することになり、「honto」は、ネットとリアルの連携のみならず、書店への送客も実現しているわけだ。
DNPグループではさらに、検索・リコメンド機能などをさらに強化し、販売チャンスの拡大を図る考えだ。購入履歴の一元管理による併売情報などを活用するとともに、グループ会社の図書館流通センター(TRC)が持つ国内最大規模、300万件以上の書誌情報データベースを活用し、高機能な書籍検索、リコメンドシステムを構築していく予定だ。
「逆に、リアル書店のノウハウを活用し、お客様に提案をしていきたいと考えています」と五味氏は話す。
たとえば、書店員のレビューや店頭のPOPなどは、ときに大きなヒット作を生むきっかけにもなる。「honto」ではそこで、実際に書店の店頭で掲示されたPOPを画像で紹介し、閲覧できるようになっている。また、お気に入りの書店を「マイ店舗」として登録すれば、登録書店のサイン会などのイベント情報や、キャンペーンなどの情報がメールで案内されるという。
岡氏は「お客様のニーズに合致した提案を行うとともに、手厚いサービスができる。リアル書店をグループに持つ当社グループならではの強みだと自負しています」と語る。