大規模プロジェクト遂行の“参謀役”、
PMOとは?
「東京ガスライフバル」の実現にも奔走
そう語る一方で、鴫谷氏は組織のコミュニケーション面でマネジメントソリューションズが果たした役割にも注目していた。
「マネジメントソリューションズは会議のファシリテーションや、組織間の調整などを行うほか、私たちPMには言えない意見なども吸い上げてくれました」。リスクの検知や事前予防策の実施も容易になっていたという。
東京ガスではその後の別な大型プロジェクトについてもPMOとしてマネジメントソリューションズを利用しているというからその評価がわかる。「ただし」と鴫谷氏は加える。
「PMOを入れたから必ずうまくいくというものではありません。PMOは『お任せする』ものではなく、PMとPMO、さらにはチーム全員が同じベクトルで『プロジェクトを成功させる』という意識を持つことが大切です」(鴫谷氏)
コンサル業界は「サードウェーブ」へ
本当の課題解決力が求められる時代
マネジメントソリューションズ代表取締役社長の高橋信也氏は「米国では20年以上前からPMOを活用する企業が増えています。企業環境の変化のスピードが増す中で、プロジェクトマネジメントができる人材を社内で育成することが難しくなっているからです」と語る。
プロジェクトの現場では慢性的な人手不足に陥っているという声も少なくない。その一方で高橋氏は「PMOは導入すれば成功するツールのようなものではありません。大切なのは『人と組織』を潤滑油のようにつなぐことです。その点では、PMOの人間力が問われることもあります」と指摘する。
「PMOに限らず、コンサルティング業界は『かくあるべし』といった戦略コンサルティングを描くだけでビジネスになった時代がありました。これを1st waveとすれば、ITツールの導入を前提としたコンサルティングが2nd waveです。現在はさらに3rd waveとも言うべき、本当の意味で課題解決につながる戦略実行型マネジメントコンサルティングが求められています。当社のPMOサービスが評価されているのも、この3rd waveを目指しているからだと自負しています」と高橋氏は力を込める。
日本企業のマネジメント能力が向上すれば競争力強化にもつながる。PMO、またマネジメントソリューションズの活躍の場はまだまだ広がるのかもしれない。