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商品、サービスの電子化が
電子決済を浸透させてゆく

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ネットショッピングやICTの発達とともに、インターネット上での決済、電子マネーによる支払いが急速に拡大している。現金をやりとりする場面は減り「電子データがあたかも現金のように扱われる時代」を迎えている。日本の電子決済の今、そして未来について、中央大学ビジネススクール教授の杉浦宣彦氏にお話をうかがった。
制作・東洋経済メディア制作部

電子書籍が変える決済の風景

中央大学ビジネススクール教授 杉浦 宣彦 
香港上海銀行、金融庁金融研究研修センター研究官、JPモルガン証券シニアリーガルアドバイザーを経て、2008年よ り現職。専門分野は、金融法、IT法

―― 国の家計消費状況調査では、1世帯あたり1カ月間のインターネットを利用した支出総額(二人以上の世帯)は2002年の1105円から11年には4560円と4倍以上になり、インターネット上での決済が増えています。

杉浦 ネットでの買い物の割合は確かに増えています。ただ、この流れは、単に店頭からネットへの販売の移行にとどまらない意味があると思います。昨年ごろから本格普及が始まった電子書籍も決済シーンを大きく変える要因になっています。従来の書籍であれば、本の到着時に代引きで支払うことも可能でしたが、電子書籍はそういうわけにはいきません。購入契約と支払いの間にタイムラグのあるコンビニ決済も適しません。購入契約から決済までを一連の流れで行うオンライン上で決済することが必要で、その結果、あらかじめクレジットカードを登録しておいて、ワンクリックで決済する人も増えています。

―― 商品、サービス自体が電子化しているのですね。

杉浦 スマートフォン・アプリも同じことが言えますが、商品・サービスが電子化され、インターネット決済のウエイトが増しています。事前決済で割引率の高いクーポンを購入する「割引クーポン共同購入」の仕組みも、オンライン決済でなければ成り立ちません。大学受験も昔は、紙の願書を記入、郵送していた手続きが、今はウェブ上で必要事項を入力して、受験料もオンライン決済できる大学も出てきました。

―― 日本の電子決済に何か特徴はありますか。

杉浦 最近は送金事業への進出も目立っています。2010年の資金決済法で銀行以外にも為替取引が認められるようになり、登録資金移動業者は昨年末現在、32業者で、どんどん増えています。銀行からの送金に比べて手数料が安いため、国内在住の外国人が郷里送金に利用しているほか、米国のように外国人が銀行口座を開くことが難しい国では、短期海外留学者への日本からの送金にも活用されているケースもあります。送金とは少し異なりますが、最近は、海外のATMで現金を引き出せるプリペイドカードを旅行会社などが発行しています。交換レートが良く、現金を持って行かなくていいので海外旅行者の人気を呼んでいるようです。

―― 電子決済もサービスの幅を広げているのですね。

杉浦 海外では、ネット上の決済事業は銀行のIT部門が担うケースが多いようですが、日本では、銀行が裏方に回っていて、新しい決済事業者が〝準金融機関〞のようになって、表のサービスを担っているのが特徴です。

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