「人が最大の資産」三菱商事ならではの健康経営 アドバンテッジ リスク マネジメント
同社では一定の年次の社員に対して行う研修の中でストレスへの対処法を学ぶ講義を実施しているが、このカリキュラムもARMが提供しているものだ。同社ではこのほか、新入社員のインストラクターや管理職に対するメンタルヘルス研修も行っている。同僚・上司が一体となり不調を未然に防ぐとともに、部下や同僚が不調を抱えたときの早期発見や対応などを確実に行うためだ。
診療所と一層連携し、PDCAサイクルの構築へ

河手氏は「健康への取り組みは継続が不可欠です。社員一人ひとりはもちろんのこと、同僚や上司なども含め、組織として取り組み、PDCAサイクルを回していくことが大切だと感じています」と話す。
伊藤氏は、「当社の社員は先進国以外に渡航する機会も少なくありません。エボラ出血熱やジカ熱、マラリアなども脅威になります。海外拠点と連携しながら国内外の疾病情報を収集し、予防策、治療方針や業務内容について相談することもあります。個人情報は保護しながら会社としてのベクトルを合わせ、社員の健康に取り組んでいきたいと考えています」と力を込める。
「人が財産」と語る企業は少なくないが、こと健康のことになると「個人任せ」になりがちだ。費用対効果について懸念する経営者も少なくない。それに対して河手氏は「当社は『人が最大の資産』を旗印に掲げています。社員のアウトプットを最大化するのが企業の目的とすれば、社員の健康と経営方針は一体と考えられます。当社では役員が率先して健康に取り組んでいます。診療所との連携を一層図ることで、国内外の全社員の健康を推進し、社員が何でも相談できる体制を整えたいと考えています。ARMは他社の成功事例などの知見も豊富です。パートナーとして引き続き期待しています」と語る。
まさに商社ならではの健康経営を実現しようとする三菱商事の取り組みに、引き続き注目していきたい。
※「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です